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認定指導薬剤師のコストの行方は

2009年6月19日 (金)

 日本薬剤師研修センターによる「認定実務実習指導薬剤師養成事業」による認定“指導薬剤師”の数が、8880人となった。既に養成事業の中心的研修であるワークショップ修了者も1万2097人に達しており、指導者候補数と
しては、当初目標をほぼクリアしたといえよう。

 薬学教育6年制の施行を受け厚生労働省は、学生が長期実務実習を行う予定の薬局・病院には、必ず1人は認定実務実習指導薬剤師が配置される体制が必要とし、2005年度から4年間に1万人の“指導薬剤師”養成を目指していた。

 4年間の事業年度は終了したものの、今年度について、日本薬剤師会等の要望を受けて、地域や施設間の偏りをなくすことを公式の事業目的として、予算規模を縮小し、何とか継続させた。しかし、来年度以降については、予算立ての可能性はなさそうだ。

 一方、病院実習における認定実務実習指導薬剤師業務を補う目的で、日本病院薬剤師会は独自に認定指導薬剤師の認定を進めてきた。直近の第3期認定までで総計2087人を認定した。全国平均で1県当たり約44人となった。ただ、沖縄県は認定者がゼロという状況で、現時点では研修センターによる認定実務実習指導薬剤師が16人(病薬6、開局10人)のみという状況だ。

 厚労省では、今年度の“特別”継続事業により、地域偏在などの課題は解消し、本番に向けた指導体制はできたとの認識だ。

 正式な認定要件を改めて見ると、ワークショップ(WS)形式の研修に加え、[1]学生の指導方法[2]薬剤師に必要な理念[3]実務実習モデル・コアカリキュラム[4]最新の業務[5]参加型実務実習の実施方法――について講習会形式の研修を修了し、認定申請した者が認定されることになる。

 そこで、これら要件を満たし、申請し、正式に認定を受けた認定実務実習指導薬剤師は今月15日現在、薬局薬剤師5902人、病院薬剤師2978人と未だ8880人にとどまっている。もっともWS修了者は1万2097人であり、概ねこの修了者が、申請さえすれば、その時点で当初目標は完全にクリアできたことになろう。

 認定期間は正式な長期実務実習が来年度から始まるため、来年4月1日から6年間だ。そのため、ゆっくり構えているのかもしれないが、適宜、手続きを終えて、認定を受けてもらいたいものだ。

 来年度以降は養成事業に対する予算立てが望めないようだが、来年度以降6年間で長期実務実習が修了するわけではない。この長期実務実習は、今後、さらに長期化する可能性はあるにせよ、短くなるものではなく、それ自体、未来永劫続くもの。

 直近で予定される1万数千人の認定指導薬剤師のみでは、地域偏在の完全解消は難しいものがあり、将来的には少なくとも地域的に“不足”する状況が発生する可能性がある。また、認定後も均質で適切な指導レベルを維持する上で、フォローアップ研修も必要となる。

 確かに、将来の薬剤師の後輩を育成する高貴な取り組みであり、現職薬剤師の“責務”であろう。しかし実際には、この「教育システム」を維持するには、相応のランニングコストの捻出が課題になる。薬剤師養成コストが、社会基盤として認められるよう、関係者の努力が望まれる。




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