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【抗TNFα抗体とMTXの併用療法】関節破壊を長期に抑制‐50%で臨床的寛解達成

2009年06月17日 (水)

 中等度・重度の関節リウマチ(RA)患者に対し、抗TNFα抗体「エンブレル」(ETN)と抗リウマチ薬「メトトレキサート」(MTX)を併用したCOMET試験の結果、関節破壊の抑制が2年間継続していることが、デンマークのコペンハーゲンで開かれた欧州リウマチ学会で発表された。ETN併用群では、2年後に臨床的寛解を達成したRA患者の割合が50%に達した。

 COMET試験は、早期RA患者の疾患活動性、関節破壊の進行度について、ETN+MTXの併用療法の有効性・安全性を検討した臨床試験。主要評価項目は臨床的寛解とし、2年目の治療に入ったRA患者411例を対象に、2年目の臨床的寛解とX線解析による関節破壊の進行抑制について、MTX単独群と比較した。

 その結果、1~2年後に臨床的寛解を達成したRA患者は、MTX単独群では35%だったのに対し、ETN+MTX併用群では50%に達した。また、関節破壊の進行抑制を達成したRA患者の割合は、2年目もETNの併用投与を継続した患者群で有意に高いことが分かった。安全性については、単独群、併用群ともに、重篤な有害事象の発現に差は見られなかった。

日本人での有用性も確認

 また、欧州リウマチ学会では、国内で生物製剤の医師主導型多施設臨床試験を進めるJBASIC研究グループから、MTXで効果不十分な日本人RA患者を対象にETN+MTX併用療法の有効性、安全性を検討したJESMR試験の、52週時点での成績が発表された。それによると、日本人でもETN+MTX併用群で有意に関節破壊を抑制し、症状と身体機能を改善することが明らかになった。

 JESMR試験は、MTXで効果不十分な日本人RA患者151例を対象に、ETN単独群とETN+MTX併用群の有効性、安全性を検討した無作為化臨床試験。主要評価項目を24週時点のACR反応率とEULAR基準改善度、52週時点の関節破壊抑制効果と設定した。

 その結果、ACR反応率は、MTX併用群で24週時点のACR20が9割を超え、52週時点でも約8割を維持し、ETN単独群に比べて有意な臨床的効果が認められた。また、副次評価項目ではあるものの、52週時点のACR50は約7割、ACR70も約5割に達することが分かった。EULAR基準改善度も、52週時点の「著効」の割合はETN単独群が33・3%だったのに対し、MTX併用群では52・1%と有意な改善が見られている。

 さらに、トータルシャープスコアで見た関節破壊の進行度を見ると、52週時点での骨びらん進行と24~52週での関節破壊進行を有意に抑制し、身体機能評価についても52週時点で明らかな改善を示した。

 今回の試験結果を受け、成績を発表した埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科の亀田秀人講師は、「ETN単独群とMTX併用群で大きな差があり、MTX効果不十分例へのETN投与開始時には、MTXの投与を中止するより継続が選択されるべき」と話している。



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