日本薬剤師研修センターは、2005年度から実施している認定実務実習指導薬剤師養成事業によるワークショップ修了者が、08年度末までに1万2000人を超え、正式な認定指導薬剤師も8800人を超えたことを明らかにした。養成事業について厚生労働省医薬食品局の関野秀人薬事企画官は本紙に対し、「今年度末には研修修了者は1万3000人くらいになる。指導体制は整いつつある」と評価した。一方、予算規模は縮小したが、今年度も養成事業に取り組んでいるが、今後、制度の維持・運営は、関係者間で対応すべきとの考えを示した。
厚労省では学生が実務実習を行う予定の薬局・病院に必ず1人は認定実務実習指導薬剤師がいる体制作りに向け、05年度から08年度までの4年間で1万人の養成を計画。日薬研修センターを介して養成事業を進めてきた。養成者数にある程度メドが立ったことから、今年度については約4000万円の予算で、地域や施設間の偏りをなくすことを目的に、事業を継続している。
現状について関野氏は、「実習を受け入れようとしている施設全てに、認定実務実習指導薬剤師がいるとは限らない。現段階で、どこの施設にどれだけ学生がいくかが、ある程度見えてきたので、09年度は足りないところや、穴の部分に重点的に対応している」と、今年度事業は、これまで事業とは意味合いが異なるとしている。
さらに、「こうした取り組みで、地域偏在や施設偏在も解消する予定であり、10年度から始まる本番を前に、ある程度の指導体制は整備できた」と総括した。
日薬研修センターによれば、08年度末までに、ワークショップを修了したのは薬局薬剤師8444人、病院薬剤師3653人の合計1万2097人に達し、認定指導薬剤師候補者数としては、既に当初予定をクリア。実際に認定を受けた実務実習指導薬剤師は15日現在で、薬局薬剤師5902人、病院薬剤師2978人の計8880人になっている。
10年度からは、養成事業への厚労省の補助事業が打ち切られる予定だが、関野氏は「指導者数のバランスなども含め、日薬研修センターの独自事業として、自主的に取り組んでもらうことになるだろう」とし、今後の事業運営は、関係者間で対応すべきとの考えを示した。