ニコンは7日、同社と米国子会社であるNikon Instruments Inc.(NII)が開発した生細胞観察装置が、Center for the Advancement of Science in Space(CASIS)の支援を受けた「ライフサイエンスおよび創薬分野における微小重力の影響に関する研究」に採択された。と発表した。同装置は、米国航空宇宙局(NASA)との契約に基づくNorthrop Grumman Corporationによる商業補給サービス「NG-24」ミッションに搭載され、9日に米国フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられる予定。同ミッションの中で、生細胞や組織の培養・維持・観察に用いる顕微鏡観察システムの基礎的な運用検証が実施される。
同社のカメラとレンズは、NASAの様々なミッションやスペースシャトルでの宇宙探査に使用されており、直近ではミラーレスカメラのフラッグシップ機である「ニコン Z9」がISSで活躍している。
2021年には、CASISが支援し米国政府の助成資金を受けている「民間企業を対象としたISS開発支援プロジェクト」に採択された。今回の研究は、ISS実験棟の限られた空間において、細胞の挙動や生体組織の薬剤反応を長期的かつ視覚的に解析可能とする装置開発を主眼としている。
同プロジェクトに関する契約は、NASAとNIIとの間で締結しており、プロジェクトの運営はNII、生細胞観察装置の開発はニコンとNIIが担当している。
ISSでは、細胞や生体組織の挙動を高精度に観察・評価できる同社の生細胞観察装置と、米国コロラド州ボルダーのBioServe Space Technologies(BioServe)開発の細胞培養インキュベーターおよび培地灌流システムを組み合せたシステム「NEMO(Nikon Experimentation Microscope in Orbit)」により、MPS(生体内を模した環境を構築した3D培養システム)を用いた観察を行う。
BioServeの装置が細胞にとって最適な環境を維持し、同社の生細胞観察装置が顕微鏡の役割を果たすことで、宇宙空間における細胞の挙動や生体組織の反応を通じて、微小重力が生体に与える影響を高精度に評価・解析することができる。
生体組織に対する重力の影響を理解することは、人類の地球外活動を加速させるための重要な研究分野であり、生命の老化現象や疾患の原因解明にも繋がる可能性が期待されている。そのため、医薬品開発を目指す製薬企業や、バイオテックをはじめとしたグローバルライフサイエンス企業からも注目を集める先進的な研究となっている。
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