政府は23日、経済財政諮問会議の答申を受け、「経済財政改革の基本方針2009」を閣議決定した。10年度予算編成については、「安心・安全を確保するために社会保障の必要な修復をする」「昨年度とは異なる概算要求基準を設定し」と明記し、高齢化や医療の高度化に伴う社会保障費の自然増を認める考えを示した。政府は、来週にも設定する概算要求基準に反映させる運び。
会見で与謝野馨財務相は、「与野党を通じて無理な抑制はやめてくれというのが国会のコンセンサス」と述べ、財源確保には「社会保障の自然増は例え借金をしてでも、やらざるを得ない」と強い態度を示した。ただ、「無理のない範囲で最大限の抑制をし、11年度までに累積して自然増を1・1兆抑えることは変わっていない」と、基本方針06の社会保障費引き締め路線を完全には断ち切っていないことも強調した。基本方針09には、「基本方針06等を踏まえ、無駄の排除など歳出改革を継続しつつ」との表現が残った。
自民党内では、基本方針06を踏襲する考え方の削除や、社会保障費の自然増年2200億円抑制方針の撤廃について、基本方針09に記載を求める声が強く、党内手続きが難航。最終的に与謝野財務相が、党幹部や総務会に、▽10年度予算においては社会保障の自然増はそのまま認める▽無理の無い範囲で節約に努めることが国民に対する責任▽数字では節約の目標を示さない▽節約分は社会保障の分野に充てる――との考え方を示し、自然増容認を約束したことで、同日午前に党の了承を得た。