4人に1人が幸福にたどり着けず
NECは10月20日、従業員数50人以上かつ年間売上高10億円以上の組織・団体に勤務し、業務でAIを利用している22〜59歳の男女513人を対象に調査したレポート「働く人のAIとウェルビーイングに関する意識調査」を、公開した。調査の結果、約4人に1人が業務でのAI活用の効率には満足しているものの、幸せにはたどり着けていないという実態が浮かび上がった。また、7割の組織がAI活用のルールを用意できていない実態も明らかになった。
調査結果の概要ではまず、業務でのAI活用に「満足」する層は66.9%(「非常に満足」15.8%+「やや満足」51.1%)に達する一方、AI活用による「幸福感・充実感」を感じる層は49.7%にとどまり、満足度と幸福感の間には17.2ポイントの乖離があることが分かった。さらに2指標を掛け合わせると、「満足していて、幸福でもある」のは4割強に対し、「満足しているのに幸福感は上がっていない」人は23.0%と、約4人に1人が効率には納得しながら、幸福感を感じていなかった。
組織のAI活用環境として4項目(▽状況に応じたルール見直し、▽使い方を議論する場、▽任せる範囲の共有、▽現場の声のルールへの反映)を設定して調べると、いずれにも当てはまらない人の幸福感は25.8%(全体平均49.7%を大きく下回る)だった。1項目でも該当すると45.6%まで上昇し、4項目全て該当する組織では73.9%に達した。ただし、4項目全てを整備済みの組織は全体の30.6%にとどまっており、7割の組織がいまだこの環境を用意できていないのが現状だった。
AIで効率化して生まれた時間を、どのような価値創出に転換したいかを調べると、「人にしか出せない仕事の強化」が35.5%でトップだった。「より創造的な仕事」「新しい挑戦の時間・機会」がそれぞれ3割程度で続き、「効率化が目的なので、そこは考えていない」という人は10.3%にすぎなかった。働く人の多くが、効率化の先の価値転換を強く望んでいることが分かった。
しかし、組織の実態は大きく異なっていた。「すでに価値創出に活かせている」とした人はわずか15.4%。「やりたいが、そのための仕組みや受け皿がない」という人が27.5%にのぼった。価値転換できている人の幸福感は84.8%に対し、意欲はあるのに受け皿がない人は31.2%と53.6ポイントもの差があった。意欲があっても受け皿がない状態こそが幸福感が最も下がる場面であり、組織には「効率化の先の設計」が強く求められる結果となった。
AIによって社会がさらに変化した5年後から10年後、どんな働き方を重視するようになるかを聞くと、回答者は大きく、▽仕事も生活も派(ワークライフバランス志向:20.7%)、▽腕で生きる派(プロフェッショナル志向:16.0%)、▽成長大好き派(ステップアップ志向:12.3%)、▽社会のために派(ソーシャルグッド志向:14.8%)、▽やっぱ人でしょ派(ヒューマンタッチ志向:15.8%)、▽様子見派(ニュートラル:20.5%)――の6タイプに分かれた。求める働き方が違えば、AIに求めるものも違ってくる。今後組織がすべきこと、必要なAIの設計も一様ではないことが見えてきた。
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