富士通は10月27日、地域や生活者の特性に応じた持続可能なラストワンマイル物流の実現に向け、ドローン配送の社会受容性に関する研究成果を、事業モデル「Uvance」のDynamic Supply Chain Managementに活用すると発表した。これによって、社会受容性の知見と商流・物流データを組み合わせ、AIによる分析やシミュレーションを通じ、地域ごとに適した配送サービスの設計や事業モデルをパートナー企業、物流事業者、自治体、地域事業者などと検討し、トラック、ドローン、自動配送ロボットなどの輸送手段の最適化につなげていく。
今回活用する知見は、同社と九州大学、成均館大学校などの共同研究から得られたもの。
共同研究では、日本全国5113人を対象に、UAM(Urban Air Mobility)を活用したラストワンマイル配送に対する受容要因を分析した。その結果、ドローン配送の受容には、配送速度や料金などの利便性だけでなく、制度や仕組みへの信頼、社会課題の解決や地域社会への貢献といった社会的価値への共感が大きく影響することが明らかになっている。
また、受容の傾向は大きく二つの層に分かれ、その構成が地域や生活者の特性によって異なることが示された。一つは、配送リードタイムや運営事業者の種類などの機能面に反応する層。もう一つは、ドローン配送を支える制度や仕組みへの信頼と、買い物が不便な地域の住民や高齢者を含め、誰もが物流サービスを利用し続けられることを重視する層となっている。これにより、ドローン配送の社会実装には、地域や生活者ごとの違いを踏まえたサービス設計とコミュニケーションが重要であることが示されている。
今回の取り組みでは、こうした研究成果から得られた社会受容性の知見と、配送需要、輸送能力、リードタイムなどの商流・物流データを組み合わせ、AIによる分析やシミュレーションを通じて、パートナー企業、物流事業者、自治体、地域事業者などと、地域や生活者の特性に応じた物流サービスのあり方を検討する。さらに、それぞれの地域のニーズや条件を踏まえ、適切な輸送手段の組み合わせや配送計画の具体化につなげていく。
さらに、WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などの既存の物流システムと、ドローンや自動配送ロボットなどのフィジカルAIをデータで連携させる仕組みを検討する。短いリードタイムが求められる配送や、トラックでは効率的に届けにくい配送をドローンが担うなど、地域ごとの需要や輸送条件に応じ、トラック、ドローン、自動配送ロボットなどの役割分担を最適化し、ラストワンマイル物流網全体の再構築につなげていく。
同社は、サプライチェーンに関する業務知見、データ連携基盤、AIによる分析・シミュレーション技術を組み合わせ、計画、判断、実行をデータとAIをつなげていく。これによって、技術の提供にとどまらず、地域や生活者に受け入れられるサービスの設計から、パートナーとの社会実装まで一貫して取り組んでいく。
今後については、研究成果を活用し、年齢層別の受容特性に応じたサービス・コミュニケーション設計、安全認証などの制度設計に関する提言、商流・物流データ基盤を活かしたドローン配送を含むサプライチェーン領域におけるエコシステムの構築支援に取り組んでいく。
また、共同研究で得られた制度への信頼や社会的価値への共感に関する知見をDynamic Supply ChainおよびフィジカルAI領域の取り組みに活用し、オファリング開発や社会実装につなげていく。
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