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カナダの非臨床CRO「LABリサーチ」が本格参入‐世界売上の2割を日本から

2009年07月15日 (水)
メインビル氏

メインビル氏

 カナダの安全性試験受託機関「LABリサーチ」のルーク・メインビルCEOは、本紙のインタビューに応じ、日本の非臨床CRO市場に本格参入する考えを明らかにした。LABリサーチは、カナダ、デンマーク、ハンガリーに拠点を展開する世界8位のグローバルCROだが、新たに安全性試験の代行業務を行うメディアサービスと国内代理店契約を締結。日本市場への浸透を図る方針だ。メインビル氏は、「まず日本でLABリサーチを知ってもらい、着実に実績を積み上げ、グローバル売上高に占める日本の割合を2割程度にまで高めたい」と話している。

 カナダに本社を置くLABリサーチは、欧州でデンマークのスキャントックス、ハンガリーのTRCを買収し、1998年に設立された。世界3拠点に大規模なラボを持ち、医薬品・化学品の非臨床試験に特化したCRO業務を展開している。一般毒性試験、吸入毒性試験、免疫毒性試験、インフュージョン毒性試験、ミニブタを用いた毒性試験など、非臨床試験に必要なサービスをフルレンジで提供できるのが強みだ。北欧ではトップシェア、北米ではトップ5の実績を持ち、グローバルの非臨床CROとして世界8位の規模を誇る。

 ただ、これまで国内の製薬企業・化学企業と取引はあったものの、日本では積極的にCRO業務を展開していなかった。メインビル氏は「LABリサーチは日本の顧客にとって新しい会社だと思うが、既にハンガリー、デンマークでは30年以上の豊富な実績がある」と強調。非臨床試験に必要な全てのサービスを提供できる体制が十分に整ったことから、昨年メディアサービスと代理店契約を締結し、日本市場に積極展開する戦略に打って出た。メインビル氏は、「質を重視する日本の顧客に、十分な品質のサービスを提供できると自負しており、今後は日本市場に力を入れていきたい」と意気込みを語っている。

 当面は、日本代理店のメディアサービスを通じて、LABリサーチの浸透を図ることが優先課題。その上で、実際にCRO業務を受託し、実績を積み上げる2段階の展開を目指す方針だ。メインビル氏は「簡単に浸透できるとは思っていないが、的確に顧客の要望に応えると共に、適切な規模でサービスを提供していくことが最も重要だ。こうした取り組みを続けることによって、国内シェアは自然に伸びてくるのではないか」との考えを示す。日本市場の展開が軌道に乗った段階で、科学的な議論を行う専従スタッフの常駐も視野に入れている。

 具体的な業務展開は、ミニブタを用いた毒性試験、安全性薬理試験、インフュージョン毒性試験など、強みとするサービスの提供を足がかりにしたい考え。既に国内では、5社の医薬品メーカーと取引実績があるが、メインビル氏は「顧客が必要とする業務を提供できる体制を整えていることをアピールし、LABリサーチの実力を浸透させていきたい」と改めて意欲を示す。

 今後、本格的に日本市場への参入を目指すLABリサーチは、数値目標は掲げていないが、メインビル氏は「日本の非臨床CRO市場は、北米、欧州に次ぐ規模で、グローバル市場の約20%は占めている。そういう観点で、LABリサーチのグローバル売上高に占める日本の割合は5%未満だが、これを市場規模と同様の20%程度まで高めていきたい」との方針を明らかにした。

 LABリサーチは、世界の製薬企業上位25社のうち、19社に業務を提供している。それだけに、メインビル氏は「30年以上の歴史があるCROとして十分な経験を持っているので、日本の顧客にわれわれの実力を理解してもらえるよう活動していきたい」とアピールしている。



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