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制度改革を薬剤師飛躍のバネに

2006年1月27日 (金)

 今年も早や1カ月を過ぎようとしており、薬剤師・薬局をめぐる諸課題も、対応への具体的な動きが始まっている。注目の診療報酬改定については、中央社会保険医療協議会が審議の論点を「現時点の骨子」として取りまとめ、昨年の有識者会議報告書に沿って、パブリックコメントを募集すると共に、きょう27日には横浜市で地方公聴会を開催する。その後は国民からの意見や公聴会の結果を踏まえ、個別点数の見直し案が議論され、2月下旬までには答申がなされる見通しだ。

 診療報酬改定の考え方には、「国民への透明性」「患者の選択」といった方針が、全体を通して貫かれている。その一例として、保険医療機関等に医療費の明細が分かる領収書の発行義務づけが打ち出されている。もちろん薬局も例外ではない。一部には既に何年も前から実施しており、「何を今さら」という薬局もあるかと思うが、多くの薬局にとっては新たな“負担”になることは確かだ。

 このような制度や仕組みの改革は、種々の検討会や審議会等における今までの議論が、法改正などの形で結実するものだ。診療報酬はもとより、薬事法、薬剤師法、医療法しかりである。今年が薬局・薬剤師をはじめ、医薬品を取り扱う者にとって、将来の方向を決定づける大切な1年といわれる所以でもある。これらの根底には、「患者から見て分かりやすい」「質の高い医療を効率的に提供する」「安全・安心の確保」といった理念が脈々と流れている。

 そういう意味でも、取り扱いが不明瞭であった従来の要指示薬という医薬品区分が、処方せん薬として明確化され、一般用医薬品についても販売時のリスクに応じた区分がなされ、そのうち最も厳しい管理が必要なグループが、事実上の要薬剤師薬として設定される意義は大きい。

 また医療法改正においては、現在の薬局が持っている機能を踏まえ、医療提供施設の一つに位置づけられ、医療計画へ明確に取り込まれる方向にある。これらの改革は、社会における薬局・薬剤師の存在感を際立たせることに繋がる。

 薬局・薬剤師の位置づけや役割を、ここまで大きな期待を込めて明確化する以上、当然それに伴って、責任も重くのしかかってくる。中でも在宅医療における薬局の役割が、ますます重要性を帯びてくることは間違いない。代議員会等でも多くの代議員から指摘があった麻薬の取り扱いを簡素化し、薬局の業務遂行を支援する方向にある。お膳立てが出来上がりつつあり、後は薬剤師自身がいかに実践していくかだ。今後その一挙手一投足が、国民から厳しく監視されることになろう。

 一般用医薬品の販売規制についても、インターネット販売業者が危機感を募らせるほどの大改革が目前に迫っている。良質な医薬品を患者、ユーザーへ適切に提供する専門職として、薬局・薬剤師の価値、存在意義が大きく問われることになろう。

 特に“要薬剤師薬”を含め、一般薬販売に臨む薬剤師の姿勢を、社会は強い関心を持って見守っている。調剤に偏重した薬局が多いと言われる中で、真の意味の「分業」に向け、都道府県薬剤師会も一般薬に関する委員会などを設置し、勉強会等を始めている。調剤の分業率が50%を超えた現在、しっかりとした一般薬の販売体制を築くことが必要であり、薬局に地域が求めているのは、そのトータルの姿であろう。




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