日本ケミファの山口一城社長は22日、都内で開いた記者懇談会で、自社ジェネリック医薬品(GE薬)の開発体制を強化し、2012年3月期までに年間15品目を手がける計画を明らかにした。同社は原価率の上昇を受け、利益率が低下傾向にあるが、山口氏は「自社GE薬が売上と利益向上の核となっていく」と強調。他社製品6割、自社製品4割となっているGE薬の売上比率を、「逆転させていきたい」と述べた。さらに、低迷する主力品に関して、「(痛風・高尿酸血症治療薬の)ウラリットに手応えが出てきている」と感触を語り、自社GE薬とウラリットで利益率の改善を目指す方針を示した。
同社は、売上高に占めるGE薬の割合が6割を突破。順調に売上を拡大する一方、原価率の上昇を受け、利益率が低下する傾向にある。ただ、山口氏は「ここ1~2年は利益率の大きな改善は見込んでいないが、11年3月期以降は少しずつ上昇していくだろう」との見通しを示し、GE薬の自社開発の強化で、利益率向上を目指す考えを明らかにした。12年3月期までには、自社GE薬を年間15品目開発できる体制を構築。自社GE薬を売上と利益向上の核と位置づけていく方針だ。
また山口氏は、利益率改善のキーとして、主力品のアルカリ化療法剤「ウラリット」を挙げた。現在、高尿酸血症が生活習慣病に位置づけられようとしているが、まだエビデンスが充実していないのが現状。山口氏は「われわれが行っている臨床研究の成果を、来年以降に示すことができる」と、エビデンス構築に自信を示した上で、「ウラリットの手応えが出てきている」と述べ、高尿酸血症領域のフロントランナーとして、ウラリットの売上減に歯止めをかけたい考えをにじませた。自社GE薬の比率を高めると共に、ウラリットの売上増によって反転攻勢に打って出る構えだ。
その上で山口氏は、GE薬、ウラリットの拡大、創薬研究の三つのミッションを「成長の3段ロケット」と位置づけ、「現在1段目にあるGE薬の成果を着実につかんで、次に進む足元を固めながら業績を拡大したい」と意欲を語った。
ランバクシーとの提携、位置づけを明確化へ
一方、注目されるインド・ランバクシーとの提携関係については、「提携の成果を検証した上で、今後のあるべき姿を協議している」と現状を明らかにし、「幅広い選択肢の中で、できるだけ早く、新たな両社の位置づけをはっきりさせたい」との考えを述べた。