中外製薬の2009年12月期中間決算(連結)は、血管新生阻害剤「アバスチン」等の癌領域製品が伸長し、大幅な増収増益となった。
売上高は、前年同期比31・4%増の1917億円。主力の遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン」は、競争激化の影響を受け、4・1%減の208億円となったが、癌領域では血管新生阻害剤「アバスチン」が116・9%増の154億円、転移性乳癌治療薬「ハーセプチン」が50・0%増の147億円と大幅に伸長。癌領域全体では31・4%増の578億円と好調で、国内シェアも1・6%増の17・4%となりトップを維持した。
また骨・関節領域では、抗ヒトIL‐6受容体モノクローナル抗体「アクテムラ」が約6倍増の53億円と急伸。行政備蓄に伴う発注などで約16倍増と大きな業績変動のあった「タミフル」を除く売上高は、12・1%増の1606億円と二桁成長を達成した。
利益面では、癌領域製品を中心とする大幅な増収が牽引し、営業利益は61・0%増の372億円、純利益は39・2%増の263億円となった。
通期は、二桁の増収増益で売上高4000億円、営業利益630億円、純利益400億円と計画通りを予想している。