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【中外製薬】癌領域の適応拡大で攻勢‐年内に4製品を申請へ‐

2009年07月29日 (水)

 中外製薬は、2009年末までに4製品の承認申請を予定し、新製品ラッシュを加速させる。特に好調な癌領域では、主力製品に成長した血管新生阻害剤「アバスチン」の乳癌への適応拡大が控えている。癌領域製品の適応拡大を進めることで、さらにトップシェアの地位を固め、二桁成長を支えていく方向だ。

 既に中外製薬は、7月に主力製品の遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン」の後継品として、腎性貧血治療剤「R744」(海外製品名「ミルセラ」)の承認申請を行っているが、さらに年内には、「アバスチン」の乳癌への適応拡大を目指す。国内第II相試験と海外第III相試験の結果をもとに申請する予定だ。「アバスチン」は、昨年11月に非小細胞肺癌の適応で承認を申請。優先審査品目に指定されたが、乳癌へ適応を拡大することで、癌領域のトップ製品としての地位をさらに固める。

 また、EGFR受容体チロシンキナーゼ阻害剤「タルセバ」の膵癌への適応拡大も行う予定だ。難治性の膵癌に対する化学療法は、現状ではゲムシタビンが標準薬として用いられているが、タルセバの膵癌への適応拡大は、ゲムシタビンとの併用療法で上乗せ効果を目指したもの。国内第II相試験と海外第III相試験の結果をもとに承認申請を行うことにしている。

 腎領域の主力製品「エポジン」は、癌性貧血の適応症について、国内第III相試験で理論輸血率の低下の主要評価項目を達成したことから、再申請を行うことにしている。さらに新製品として、大正製薬と共同開発した活性型ビタミンD3誘導体「ED‐71」について、骨粗鬆症の適応で承認申請する。

 同社は、癌領域製品を牽引役に大幅な二桁成長を達成し、好調な業績を維持している中、来年にも転移性乳癌治療薬「ハーセプチン」と化学療法剤「ゼローダ」の胃癌への適応拡大など、3製品の承認申請を控えており、今後、癌領域の適応拡大を中心に攻勢をかけていく方針だ。

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