薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会は18日、妊婦への新型インフルエンザワクチンの接種や、新型インフルエンザワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種などについて検討し、安全面で問題がないことを確認。これまで、「妊婦には原則として使用しない」としていた添付文書を改訂し、近く関連団体などに指示する。
妊婦は、新型インフルエンザワクチンの優先接種対象になっているほか、日本産科婦人科学会などもワクチンの接種を推奨している。しかし、添付文書には「安全性が確立していない」との理由から、「妊婦または妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とする」と記載されており、見直す必要があった。
安全対策調査会では、国内外の文献や、医薬品医療機器総合機構が作成した調査報告書などをもとに、安全性について検討。ワクチンを接種しても妊婦や新生児への影響は認められなかったことに加え、海外では妊婦への季節性・新型インフルエンザワクチン接種が推奨されていることなどを踏まえ、添付文書中の「原則、妊婦へは接種しない」との文言を削除することとした。
また添付文書では、インフルエンザワクチンを接種した人が他の生ワクチンを打つ場合、「通常27日以上の間隔を置く(不活化ワクチンは6日以上)」としていたが、医師が必要と認めた場合には、同時接種が可能になるよう改める。
インフルエンザによる肺炎を予防するための肺炎球菌ワクチンについても、同時接種を認めたほか、「十分な時間を空けること」を条件に、再び接種できるよう添付文書を改訂する。
これまでは、注射部位の疼痛、紅斑などの副作用が起こるとして、現在1度しか接種が認められていないが、海外の文献などによると、5年以内に再接種すると、副反応が強く出る恐れがあり、「前回接種から十分な間隔を確保する」ことを求めた。