経済産業省が取りまとめた新たな2010年度予算概算要求は、一般会計総額4280億円で、このうち科学技術振興費は1338億円で、ともに今年度当初を下回った。
民主党政権公約や鳩山首相の指示に従って、地球温暖化対策や中小企業対策を優先したことで、医療分野への配分は、自公政権下で行った8月の概算要求に比べて縮小した。
ただ、「健康長寿社会の実現」も重点課題の一つに位置づけ、革新的な医療機器開発や創薬には積極的に取り組む。
技術開発関連の新規事業では、▽癌超早期診断・治療機器総合研究開発プロジェクト(8月要求17億円→今回15億円)▽後天的ゲノム修飾のメカニズムを活用した創薬基盤技術開発(8億円→4億円)▽次世代機能代替技術研究開発事業(8億円→6億円)――が盛り込まれた。
また、医療・介護分野を新たな成長産業として強化する「安心ジャパン・プロジェクト」(50億円→32億円)も推進する。健康関連産業や物流等の民間事業者と医療・介護事業者が連携し、地域医療の強化や生活インフラ機能の向上を図る。