文部科学省の新たな2010年度一般会計予算概算要求は、今年度当初比8・98%増の5兆7562億円となった。民主党政権公約に掲げた医学部定員増への対応と大学病院の機能強化や、大学奨学金の拡充については、年末までの予算編成過程で検討することとし、金額を明示しなかった。
目玉事業の高校の実質無償化に4624億円を充てる一方、既存施策をゼロベースで見直し、事業数を59件削減し、残る688件のうち305件の規模を縮小した。
医療分野については、文教関係予算のうち、国立大学法人運営費交付金1兆1708億円、私立大学等経常費補助3222億円の中で、救急医療、周産期医療、医師不足解消に取り組む大学を重点支援する。
科学技術・学術関係予算では、「健康長寿社会の実現」の鍵となる再生医療、癌対策、認知症克服を目指す。再生医療実現化プロジェクトに28億円、癌・生活習慣病等克服のための先端医科学研究開発イニシアチブに51億円、脳科学研究戦略推進プログラムに24億円を計上した。再生医療と脳科学研究は今年度当初から増額した。