関西電力病院の清野裕院長は8日、都内で講演し、国内で初登場するDPP‐4阻害薬「ジャヌビア」に関して、「特に日本で多い非肥満型の“アジア人型糖尿病”に有効ではないか」としながらも、「DPP‐4阻害薬にSU薬を併用することで、さらに十分な血糖コントロールが得られる」との考えを示した。その上で、アジア人型糖尿病は30代の若年者から発症することから、「長期の有効性を市販後に証していく必要がある」と課題を挙げた。
DPP‐4阻害薬は、低血糖を起こさず、SU薬無効例でもインスリン分泌を促進するため、非肥満型のアジア人型糖尿病に有効と考えられているが、清野氏は「食事・運動療法を行うことが前提」とした上で、「新規発症患者と高齢者には、DPP‐4阻害薬が有効ではないか」との考えを示した。ただ、既に薬物療法を行っている2型糖尿病患者に対しては、投与は慎重であるべきと注意を促した。
また、非肥満型のアジア人型糖尿病は、特に30代の若年者から発症する傾向があることから、「早期からの血糖コントロールを長年にわたって行わなければならない」と述べ、長期の有効性を市販後で検証する必要性を課題に挙げた。
また、清野氏は「DPP‐4阻害薬のみで、他の経口薬を中止した場合には十分な血糖コントロールができない」と指摘。日本人2型糖尿病患者の6割が経口SU薬・グリニド薬を服用している実態から、「SU薬との併用が有効ではないか」との考えを示した。ただ、SU薬と併用する場合には、低血糖に注意が必要になるとした。