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前進・改善に向け不断の努力を

2009年12月25日 (金)

 2009年もあと1週間を残すだけとなった。今年の最も大きな出来事は、何といっても政治の主導体制に大きく転換したことだ。半世紀に及ぶ自民党政権から民主党政権に移行し、それまでの官僚主導による行政から、与党の国会議員が強力に関与する行政になった。

 この変化に対する評価は現在のところ未確定だが、多くの国民は、首相の先送り体質への疑念や、某幹事長の独裁的とさえ映る行動・手法に対する不快感を持っていることは明らかだ。

 さて、薬業界における主な動きを、製配販の領域ごとに概括してみる。

 まず製薬の前提となる臨床試験・治験関連では、2007年からの「新たな治験活性化5カ年計画」が粛々と進められており、10月末には中核病院・拠点病院に求める機能や、治験開始までの目標期間などが中間見直し検討会に提出されている。内外資系別、国内外市場エリアを問わずに医薬品開発を前進させることは、今や日本の医薬品産業全体の成長にとって必須条件となっている。

 新薬の上市は、開発型製薬企業のみならず、日本の医薬品業界全体のモチベーション向上につながるものであり、その影響力は売上・利益という実経済を超えて、計り知れないものがある。

 懸念された新薬の特許切れが相次ぐ「2010年問題」についても、一部の大手製薬企業が新薬を市場投入する動きを見せているなど、新薬上市ラッシュが現実味を帯びてきていることは朗報になろう。

 一方で、後発品を普及促進するための方策も活発に行われているほか、製造などのアウトソーシングもグローバルに展開されている。

 流通では、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会が提示した、緊急提言に沿った流通改善が第2ラウンドに突入した。業界団体である日本医薬品卸業連合会の会長が、松谷高顕氏から別所芳樹氏に代わった。価格競争にどっぷり漬かり、大幅な減益を招いた前年の反省に立ち、新たな体制で業界を挙げた取り組みに邁進しているところだ。今年はまた、インフルエンザの治療薬・ワクチンの安定供給に尽力したことも特筆されよう。

 販売では、改正薬事法によりリスク分類された、新たなOTC販売制度がスタートしたことが筆頭に挙げられる。登録販売者制度が導入された。薬剤師しか扱えない第1類薬は、事前に巷間で予想されていた通り販売不振だったようだが、最近では、息を吹き返しつつあるデータも出現してきている。さらなる活性化を期待して、スイッチ化の加速を求める声も大きい。

 製配販の原資でもある肝心の診療報酬改定と薬価制度改革論議は、大詰めを迎えつつある。薬価維持特例は「新薬創出・適応外使用薬解消等促進加算」という、誠にお役所用語らしい、語彙複雑・意味明瞭な仕組みが導入されることとなった。

 メリットを享受する製薬企業が少ないなどの諸課題はあるものの、日本が新薬を創出していける環境整備に向けての一歩前進といえる。

 薬剤師やドラッグ関連を含めた業界の重大ニュースは、本紙をご覧いただきたい。今年は、制度も政権も大きく変わり、改善と後退が併存した1年間だった。1週間後には必ず、2010年がやってくる。

 業界において後退よりも前進・改善が多い年にするためには、医薬品に関係する全員の努力が不可欠だろう。良いお年を。




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