日医工は、バイオ後続品市場に参入する。約25億円を投じてグローバル開発品質管理センター「ハニカム棟」を建設し、バイオ後続品の開発を本格的にスタートさせる。2011年12月に竣工予定のハニカム棟には、高分子医薬品に対応した「バイオ実験室」を完備。研究開発スタッフを50人増員し、市場拡大が見込まれるバイオ後続品に対応していく方針だ。15日に都内で開いた決算説明会で田村友一社長は、「今後はバイオ後続品に取り組まなければ、ジェネリック薬(GE薬)メーカーとして生き残れない」と強調。他社との提携によって、バイオ後続品の開発を進めていく方針を示した。
同社は、12年までの4カ年中期経営計画「ハニカム2012」で世界への挑戦をうたい、海外進出を目指す方針を打ち出してきたが、新たに抗体医薬などのバイオ後続品の開発に着手することで、世界で戦えるGE薬メーカーとしての基盤固めを強化する。田村氏は、「12年以降は、低分子医薬品の大型製品の特許切れが少なくなる。今後、二桁成長が予測されるバイオ後続品に取り組まなければ、世界と戦うGE薬メーカーとして生き残れない」と強調。自らバイオ後続品市場を創造することで、取り組みを強化する外資系GE薬メーカーに対抗していく考えを示した。
具体的には、11年に竣工予定のハニカム棟でバイオ後続品の研究に着手し、生産は国内・海外企業に委託していく予定。田村氏は、「他社のリソースを有効に活用したい」と述べ、バイオ後続品の開発に当たっては、他社との提携を視野に入れていく方針を明らかにした。開発品目は、既に欧州で上市されている既存のバイオ後続品ではなく、次世代製品の開発を目指すという。
12年に東南アジア進出‐照準は1000億円市場
一方、海外展開に関して、田村氏は「12年までは国内事業展開に集中し、それ以降に進めたい」とし、新たに東南アジアのタイ、マレーシア、香港に進出する方針を明らかにした。東南アジアのGE薬市場規模は、タイが約3000億円、マレーシアが約1000億円、香港が約800億円とされ、同社はこのうち20%の約1000億円をターゲットにしていく考えだ。11年にも現地で承認申請を行い、12年以降に提携企業とのアライアンスによって約20品目の上市を見込んでいる。日本のGE薬ブランドを前面に押し出すことで、東南アジア市場への参入を図る。