厚生労働省の先進医療専門家会議は14日、「腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術」を新たな先進医療として保険診療と併用することを了承した。20cm程度の皮膚切開で治療できるため、開腹術で課題となっている大量出血、創感染、腸閉塞といった合併症の発生を抑えることが期待できる。
適応症は浸潤性膀胱癌。全身麻酔下で下腹部に5カ所の操作孔を設けて腹腔鏡下で手術する技術で、男性では膀胱・前立腺・精嚢腺を、女性では膀胱・子宮を一塊に摘出し、リンパ節郭清術を行った上で尿路を変更する。
臨床工学技師を配置する泌尿器科のある病院で、当該技術の経験を2年以上、5例以上を有する泌尿器科専門医が責任者となって実施することなどが必要。費用は約75万9000円。
このほか同日の会合では、既に先進医療として認められている「先天性難聴の遺伝子診断」について、外部委託による検体検査を認めることを決めた。遺伝カウンセリング体制を有し、日本臨床検査標準協議会のマニュアルに従って検体の品質管理が可能であることなどの条件を満たす医療機関のみ委託できる。