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【ライフサイエンス知財フォーラム】製薬はオープンイノベーション向き‐困難化する新薬創製の活路に

2010年1月20日 (水)

2010ライフサイエンス知財フォーラム

2010ライフサイエンス知財フォーラム

 日本製薬工業協会とバイオインダストリー協会による「2010ライフサイエンス知財フォーラム」が18日、都内で開かれ、外部リソースを活用するオープンイノベーションの必要性が議論された。これまで国内製薬企業は、自社創薬を基本とする「クローズドイノベーション」を原則に、不足分をライセンス導入で補完してきた。新薬開発が困難さを増し、自社創製新薬が減少する中、これまで製品導入などによって外部資源を取り込んできた製薬企業は、オープンイノベーションに向いているとして、より積極的な外部資源の活用が有効との意見が相次いだ。

 オープンイノベーションは、▽企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること▽企業が自社のビジネスにおいて社外のアイデアを今まで以上に活用し、未活用のアイデアを他社に今まで以上に活用してもらうこと‐‐と定義されている。オープンイノベーションには、ビジネスモデルが重要になると考えられているが、東京大学先端科学技術研究センター教授の渡部俊也氏は、技術構造の要因、高度な戦略策定の困難さ、内部研究資源と外部調達との整合の難しさなどから、「日本企業はオープンイノベーションへの適応に苦しんでいる」と指摘。こうした中、製薬企業の技術構造は技術の相互依存性が低いとして、オープンイノベーションに適合しているとの考えを示した。

 その上で、新薬の上市が困難さを増す中、製薬企業に関する環境変化として、情報技術との融合、技術の相互依存化、アライアンスのリスクを挙げ、外部資源のより一層の活用が必要だとし、インターネット、グローバル化、多様なプレイヤーとの連携など、オープンイノベーションが製薬企業の新たなビジネスモデル構築に有益とした。

 一方、アイ・エム・エス・ジャパン取締役バイスプレジデントの三好昌武氏は、製薬業界でオープンイノベーションが注目される背景に、自社新薬パイプラインと特許切れ影響をカバーする「経営安定化策」、抗体医薬など「新規技術基盤の獲得」の二つの側面があるとした。特に2000年以降、国内大手・中堅製薬企業から自社創製新薬がほとんど上市されていないため、オープンイノベーションの一つとして、ライセンス導入が急増してきた現状を指摘した。また、大型製品の米国特許切れを控え、積極化したM&Aも広義のオープンイノベーションと捉えられるとの見方を示した。

 ただ、新規技術基盤の獲得に関するアライアンスに関しては、「特に増加傾向にはないが、産学共同研究には注目案件が出てきており、オープンイノベーションとして、今後の創薬に寄与すれば注目を集めるだろう」とした。

 三好氏は、自社新薬創製が困難化し、ライセンス導入も費用の高騰化によって行き詰まり始めていると指摘した上で、「研究部門がライセンス導入の目利き部隊になってしまってはいないか」と問題提起。「もう少しオープンイノベーションを楽に考え、毎年継続して研究開発費の5~10%をライセンス導入費用として活用すると共に、自社のクローズドイノベーションを再生させるために、もっと探索研究者の自由度を高めるべきではないか」と提言した。




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