中央社会保険医療協議会は27日の総会で、常勤薬剤師を含む専任のチームの設置などを施設基準とした「栄養サポートチーム加算」(新NST加算)を、次期診療報酬改定で試行的に導入することを了解した。一般病棟に入院する栄養障害リスクの高い患者に対する、多職種共同の取り組みを評価する。導入影響の検証も行う。
中医協はこの日、個別の点数や算定要件を具体的に検討する、“短冊の議論”に入り、まず、次期改定の最重点課題である急性期入院を取り上げた。
チーム医療の充実も柱の一つで、手厚い人員体制を確保することで、入院医療の質向上や、勤務医の負担軽減を図るのが目的。NSTが介入した場合、栄養状態の改善のほか、在院日数の短縮や抗菌薬・抗MRSA薬の購入費の抑制につながるというデータもあり、現場での実践も進みつつある。
新NST加算の対象となるのは、7対1または10対1入院基本料の届出病棟に入院し、栄養管理実施加算が算定されている栄養障害を有する患者など。算定は週1回に限る。
算定要件として、[1]週1回以上の栄養カンファレンスと回診[2]栄養治療計画に基づくチームによる診療[3]1日当たり算定患者数は1チームにつき概ね30人以内--を定める。専任チームは、栄養管理に関する所定の研修を修了した常勤の医師、看護師、薬剤師、管理栄養士による編成を必須条件とする。
このうち1人を専従とすることを厚生労働省が事務局案として示したが、診療側は、他の業務との兼務が可能な「専任」に変更するよう注文を付けた。これに対し厚労省は、NSTを導入すると、相当程度の業務が発生するため、少なくとも1人を専従にする必要があると説明した上で、コストに見合う点数を設定する考えを示して理解を求めた。
このほか、歯科医師や臨床検査技師らの参加については、望ましい規定とする。また、急性期看護補助加算や呼吸ケアチームなど他の新設項目と共に、勤務医の負担軽減や処遇改善に資する体制も要件に加え、勤務医対策の実効性を担保する。
後期高齢者退院時栄養・食事指導料については、新NST加算の新設に合わせて廃止することになる。