UMNファーマと総合重機メーカー「IHI」は、インフルエンザワクチン原薬の製造子会社を合弁で設立すると発表した。3月には秋田市で原薬製造工場の建設に着手し、2012年には細胞培養によるインフルエンザワクチン原薬の生産開始を目指す。製造能力は、年間約250万~500万回接種分となる見通し。
新設する合弁会社では、UMNファーマが開発中のH5N1インフルエンザワクチン「UMN‐0501」、季節性インフルエンザワクチン「UMN‐0502」の原薬製造を行う。出資比率はIHI49・75%、UMNファーマ50・25%で、資本金15億円、約30人の従業員で事業をスタートする計画。3月には、秋田市にインフルエンザワクチン原薬の製造工場の建設に取りかかり、12年には、国内第II相試験段階にある「UMN‐0501」の原薬生産を開始し、同年前半の国内申請を目指す。
これまで両社は、IHI横浜事業所で、細胞培養によるワクチン製造技術の共同研究、製造設備の設計などで協業を進めてきた。今回、医薬プラント事業を中期経営計画の成長・注力事業に位置づけるIHIと、「UMN‐0501」の製造能力を増強するUMNファーマの意向が一致し、合弁会社を設立することになった。
なお、合弁会社の設立前に、IHIはUMNファーマに約5億円を出資する。