富士製薬工業と持田製薬は、遺伝子組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)製剤のバイオ後続品について、国内での共同開発契約を締結した。持田製薬は、富士製薬が第I相試験中の「バイオ後続品G‐CSF製剤」の共同開発を進めることで、国内バイオ後続品市場に参入する。2013~14年をメドに発売する予定。製造販売承認後は、両社がそれぞれ販売を行う。
中堅ジェネリック医薬品(GE薬)メーカーの富士製薬は、急性期医療の注射剤事業を柱とし、品揃えの一環として、バイオ後続品への参入を表明していた。特に、癌領域で注射剤として使われるG‐CSF製剤のバイオ後続品に着目。これまで自社開発を進め、第I相試験を進めてきたが、今回、細胞医薬品の研究開発にノウハウを持ち、新薬メーカーとして臨床試験経験の豊富な持田製薬との共同開発に踏み切った。
今回の契約により、両社はバイオ後続品G‐CSFの共同開発を進めるが、G‐CSF製剤の製造は、富士製薬が自社で行う。既に生産能力増を目的に、富山工場の敷地内に新たな製造工場を建設する予定になっている。10年春頃に着工し、バイオ後続品G‐CSF製剤の製造に対応する。
一方、持田製薬は、GE薬事業で特徴ある品目を揃え、年商30億を目指す方針を打ち出していたが、バイオ後続品G‐CSF製剤を特徴ある品目として、富士製薬との共同開発を通して、バイオ後続品市場に参入することを決めた。
新薬メーカーによるバイオ後続品への参入は、キッセイ薬品に続く動きとなる。バイオ後続品は、臨床試験が要求されることから、新薬並みの開発体制が必要になるだけに、国内中堅メーカーとGE薬メーカーが提携し、バイオ後続品の共同開発に取り組むケースが活発になっている。