厚生労働省のエイズ動向委員会は、2008年12月29日から09年12月27日までの約1年間の、新規のHIV感染者・エイズ患者の速報値を公表した。新規HIV感染者・エイズ患者とも前年より減少したものの、合計では過去3番目の1428件の報告があった。また、エイズ患者数の占める割合が、前年の27・7%より増加し29・4%と、3割近くになった。
この1年間の新規HIV感染者は1008件で、過去3番目に多い。これまでの最高は08年の1126件。
感染経路としては、同性間性的接触によるものが682件と最も多く、感染者全体の約68%を占めている。異性間性的接触は209件だった。年齢的には、特に20~30歳代といった若年層の感染が多くなっている。
新規エイズ患者は420件で、過去2番目に多い。過去最高は08年の431件。
HIV感染者と同様に、同性間性的接触が202件で全体の約半数を占め、異性間性的接触は128件だった。年齢では、特に30歳代が多く、またこの年齢層が大幅に増加している。
保健所などでのHIV抗体検査件数は、過去最高の前年より約2万7000件減の15万0252件で、過去3番目となった。相談件数も、過去最高の前年より3万7000件減の19万3271件で、これも過去3番目。減少要因としては、新型インフルエンザの影響を受けた可能性が指摘されている。