TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

麻しん発生が08年比93%減少‐12年に“排除”の可能性も

2010年02月17日 (水)

 厚生労働省と国立感染症研究所は、2008年には1万例を超えていた麻しん発生が、09年には大きく減少し、3桁の741例になったことを公表。目標である麻しん“排除”が、12年には達成できる可能性ができた。ただ、中学1年生と高校3年生の2回目のワクチン接種率が、90%に届いていないことから、これら年代の接種を推奨している。「感染症週報」(10年第4週:1月25~31日)で紹介した。

 09年第1~53週(08年12月29~10年1月3日)の麻しん発生は、08年よりも93%減少した。週別の報告数から見た分析では、08年に認められたような、明らかな流行期といえるピークはなく、10~30例前後の報告が継続していた(週平均14例)。最も多かったのは第29週の30例、最少は第53週の2例だった。

 都道府県別に累積報告数は、千葉県116例、東京都112例、神奈川県97例、大阪府57例、埼玉県44例、愛知県29例、福岡県25例、広島県23例、新潟県18例、北海道17例の順となっている。

 年齢群別では0~4歳301例(40・6%)、15~19歳72例(9・7%)、20~24歳/35~39歳57例(7・7%)、10~14歳55例(7・4%)、5~9歳51例(6・9%)の順となっている。麻しんワクチン接種歴別の報告数は、接種歴なし176例(23・8%)、1回接種352例(47・5%)、2回接種32例(4・3%)となっており、1回接種者が最も多かった。

 国では08年度から5年間、1歳児や小学校入学前のワクチン接種勧奨の徹底、1回しか定期接種の機会がなかった中学1年生、高校3年生を対象に、2回目の定期接種を導入しており、その成果が出てきたものと見られる。ただ、中学1年生の接種率は85・1%、高校3年生が77・3%と、まだ低い状況もあることから、厚労省などでは、この年代の積極的なワクチン接種を呼びかけている。

 また週報では、「このように麻しん発症数が少なくなると、感染経路が不明で、臨床症状のみでは、他の発疹性疾患との鑑別が困難な例が増加しくるため、麻しんの検査診断が重要なる」とし、医師などに対し、麻しんを疑った場合には、保健所を経由して、地方衛生研究所での検査を実施してほしいと呼びかけている。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術