ARBと利尿薬の合剤「プレミネント錠」を発売 万有製薬

2006年12月13日 (水)

【ピーク時に414億円見込む】

 万有製薬は8日、日本初のアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と少量の利尿薬を配合した降圧剤「プレミネント錠」(一般名:ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド)を発売した。合剤にしたことによる作用の増強が特徴で、利尿薬以外の降圧薬で十分な治療効果が得られない場合の、2次選択薬として用いられる。海外では既に販売されている大型品で、同社としては、今後の成長を加速させる戦略品と位置づけている。

 薬価は1錠190・00円。用法・用量は1日1回、1錠を経口投与する。1錠でARBと利尿薬を服用できるため、服薬コンプライアンスの向上が期待できる。ARBと利尿剤の組み合わせは、日米欧の高血圧ガイドラインで推奨されている。

 同社によると、国内治験では、ロサルタンカリウム単剤と比べ、血圧を有意に低下させ、副作用の発現率はほぼ同等という結果だった。主な副作用は、めまいや頭痛、頻尿で、重篤な副作用はなかったという。

 日本では食塩摂取量が多く、インスリン分泌能も低いケースが多いことから、利尿薬による低カリウム血症や糖代謝系への影響が危惧されてきた。「プレミネント」は、利尿薬ヒドロクロロチアジドの通常投与量(25mg)を半分にした合剤で、強い降圧作用を導くと共に、問題となる低カリウム血症や糖代謝系への影響を、ARBの作用で相殺することが基礎的に確かめられている。それによって重篤な副作用の発現が抑制されたものと捉えられている。

 海外では1995年2月に仏で発売されて以降、82カ国で販売、約1000万人の患者に使用されている。世界売上高は「ニューロタン」と合わせて30億3700万ドルで、うち配合剤は約4割に上る。

 日本では、初年度13億円、ピーク時の6年目には414億円の売り上げを見込む。同社としては、昨年暮れに発売した男性型脱毛症治療薬「プロペシア」、9月に発売した週1回投与の骨粗鬆治療薬「フォサマック」に続く、成長戦略品だ。

 同剤以外の日本でのARBと利尿剤の配合剤に関しては、武田薬品と日本べーリンガーインゲルハイムが承認申請中で、ノバルティスがPII、第一三共がPIIIにある。また、第一三共はカルシウム拮抗剤アゼルニジピンとの配合剤をPIIIに進めている。万有ではカルシウム拮抗剤との配合剤開発の予定はないとしている。



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