エーザイの米子会社「モルフォテック」は、抗体の自社製造を行うため、約8000万ドル(約72億円)を投じてパイロット・プラントを建設する。2011年中頃に完成予定で、12年中の本格稼働を目指す。外部に委託してきた抗体製造を自社で手がけ、抗体開発の効率化を図る。
モルフォテックは、抗体の製造を外部の製造受託機関にアウトソーシングしてきた。ただ、抗体の製造には高度な精製技術を必要とし、外部に委託先が少ないことから、十分に抗体を確保できない難点があった。そこで同社は、新たにパイロット・プラントを建設し、抗体の自社製造に着手。研究開発機能を拡大させることにした。パイロット・プラントは、治験薬の製造に特化し、今後、臨床入りする抗体テーマの中間体製造、安定性試験などを行う。
既に、欧米で第III相試験中の卵巣癌治療薬「MORAb-003」、第II相試験中の中皮腫治療薬「MORAb-009」など、モルフォテックが開発中の抗体の製造は、引き続き外部の製造受託機関が担当するという。
パイロットプラントは平屋建て、面積は約6万平方フィート(約1686坪)。米ペンシルバニア州のモルフォテック社に隣接して建設される。