TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【薬害C型肝炎被害実態調査】生存者の半数が慢性肝炎に

2010年03月12日 (金)

 厚生労働省の薬害肝炎検証委員会がまとめた、薬害C型肝炎感染者の被害実態調査結果によると、生存する被害者の約半数が慢性肝炎で、インターフェロン治療により、ウイルスが検出されなくなった被害者は22%だった。また、遺族の6割が患者本人の死亡後に、薬害感染だと告知されていることも分かった。

 調査では、昨年10月5日時点で国との和解が成立している患者880人、遺族54人の回答を集計した。

 患者の79%は女性で、年齢は40~60代が76%を占め、平均53歳だった。感染原因となった製剤はフィブリノゲンが91%、第IX因子が7%となっており、投与理由は出産時出血が61%、外科的手術が28%だった。

 現在の状態は、無症候性キャリアが13%、慢性肝炎が48%、肝硬変8%、肝癌2%、インターフェロン治療後にウイルスが検出されなくなった事例が22%となっている。

 「疲れやすい」「全身倦怠感」といった自覚症状も全体の54%が訴えていた。精神健康状態が良好でない疑いも70%で見られ、生活の質を指数化したところ、国民の標準値に比べて低かった。

 また、患者の3分の1が、民間療法を含めた医療費を200万円以上負担。病気を理由とした離転職も3分の1が経験しており、理由としては、体力や治療上の問題が比較的多いものの、6%は上司に退職を勧められていた。

 遺族に対する調査では、故人に投与された原因製剤は、生存患者と同様にフィブリノゲンが大半を占めるが、故人に男性が多かったため、投与理由は外科的手術が76%となっている。

 感染原因が薬害であったことを知った時期は、訴訟が準備された2002年以降が約6割で、61%が患者本人の死亡後だったと回答。故人の85%は99年以前に肝炎と診断されているものの、診断以前に薬害だと知らされていたのは9%にとどまり、同委員会は「原因告知の遅れを如実に示している」としている。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術