厚生労働省がまとめた薬事工業生産動態統計年報で、2008年における医薬品最終製品の国内生産額は6兆6201億円と、対前年比で2・6%伸びたことが分かった。これまで、薬価改正年は生産が落ち込むことが多かったが、2年前の06年に続いて前年の水準を上回った。
08年年報によると、医薬品の輸入は8・8%増の1兆8594億円、輸出は12・9%増の1626億円。国内生産と輸入を合わせた国内向けの出荷総額は、8兆1800億円となった。
国内生産を用途別に見ると、医療用が2・8%増の5兆9928億円で、全体の9割を占める。99年以降減少していた一般用医薬品が増加に転じて、0・9%増の5984億円。配置用家庭薬は7・2%減の289億円で、引き続き縮小した。
薬効分類別に見ると、上位10分類までで5兆円を超える。金額が多い順に上から、[1]循環器官用薬1兆4370億円(前年比3・6%増)[2]その他の代謝性医薬品6489億円(5・0%増)[3]中枢神経系用薬6206億円(6・1%増)[4]消化器官用薬5825億円(1・3%増)[5]血液・体液用薬4077億円(9・6%増)[6]外皮用薬3657億円(4・0%増)[7]生物学的製剤2766億円(1・8%増)[8]抗生物質製剤2683億円(9・4%減)[9]アレルギー用薬2445億円(6・7%増)[10]ビタミン剤2136億円(0・8%増)--となっている。
剤形別では、錠剤が3兆3919億円で5割を占める。地域別では、埼玉の6468億円、静岡の5600億円、富山の5167億円が多い。
また、生産実績のあったのは1816製造所で、7割以上が従業員数が50人未満だった。月間生産額は8割以上が1億円に満たない。