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【呉市】市を挙げて医療費削減‐健康管理増進システム構築

2010年3月17日 (水)

呉市の中本克州副市長

呉市の中本克州副市長

 呉市では、今年度から国民健康保険の被保険者レセプト電子データ化を活用し、重複・頻回受診を行っている被保険者に対して、受診の是正を進めている。そのデータを解析した結果、併用禁忌や併用を回避すべき薬剤の重複投与が、処方せんの0・9%に見られたことを、中本克州副市長が松江市内で行われた講演で報告した。現在、該当する被保険者には、市の保健師が訪問指導を行っているが、来年度以降、医師会や薬剤師会にもデータを提供して、被保険者の健康被害防止に取り組む考えも示した。

 呉市の国保被保険者の月額レセプト枚数は8万5000枚(医科・入院2000枚、医科・入院外4万8000枚、歯科1万枚、調剤2万5000枚)で、歯科を除く7万5000枚が電子データ化されている。2008年7月からは、医療費削減事業の一環として、調剤の2万5000枚(癌、精神科、急性期疾病を除く)を対象に、GE薬の差額通知を行っており、これまでに16回実施している。

 今年度は、GE薬の通知以外の医療費削減事業として、レセプトデータを活用した重複・頻回受診者リストをもとに、保健師による訪問指導を実施。その結果、受診頻度の適正化や重複受診の回避などで、「診療費の削減にもつながった」と中本氏は現状を紹介した。

 また、データベースの解析から、全体の処方のうち、併用禁忌が0・3%、併用回避薬剤が0・6%で見られたことも報告。対象者には、緊急的に市の保健師が訪問して、改善指導を実施している。

 一方、GE薬の差額通知発出に伴う医療費削減効果は、レセプト電子化や郵送料などのランニングコストを勘案しても、09年度は約4100万円削減できる見通しを示した。通知事業を通しての今後の課題として、現在は院外処方せんを対象としているが、「医科全てでやりたい」との考えを示し、医師会との調整も進めているという。また、一つの先発品に多くのGE薬が発売されている現状の改善も訴えた。

 中本氏は、「(呉市では)GE薬の数量ベースシェアが30%となっても、削減できるのは1億円程度」とし、レセプト電子化を行うことで、▽被保険者の健康保持増進▽被保険者の負担軽減▽医療費の適正化--など、大きな医療費削減につなげる「健康管理増進システム」を、市として構築していることを紹介した。

 今後はデータベースを活用し、特定健診受診データと、レセプトデータの突き合わせによる保健指導の徹底のほか、電子データ利用による医療費分析・調査研究に取り組む考えを示した。

 来年度にはモデル事業として、糖尿病性腎症患者への保健指導による重症化防止研究を、広島大学と連携して取り組み、エビデンスや効果を検証する予定だ。

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