日本緩和医療薬学会(鈴木勉代表理事)は14日、第1回緩和薬物療法認定薬剤師の認定者を発表した。昨年の暫定認定者22人中21人を正式に認定したほか、今年1月の認定試験で50人が合格し、合計71人の認定薬剤師が誕生した。今回の認定者はほとんどが病院薬剤師だが、在宅患者に対応する薬局の強化も望まれており、同学会としては、薬局薬剤師に対する教育研修にもより一層力を入れていく方針だ。
同学会では昨年10月、横浜市内で開かれた評議員会で、独自認定制度「緩和薬物療法認定薬剤師」認定試験を、今年1月から開始することを承認していた。1月24日に試験が実施され、60人が受験し50人が合格した。
一方、試験制度の設計や試験問題作成などを行うため、暫定認定者を選抜する試験を昨年1月に実施。5月12日付で22人の「緩和薬物療法認定薬剤師暫定認定者」を公表していた。これは認定制度が始まったばかりで、対象者が所定単位数を満たしていなかったための暫定認定だったが、100単位の取得などを要件に、このうち21人が正式承認された。
認定試験の受験資格は、同学会の会員であり、薬剤師の実務経験が5年以上、緩和ケアの従事経験が3年以上で、関連する学会などを通じて対象とする講習を受け、100単位以上を取得していることなどが条件。初めての認定者としては、病院薬剤師が68人と大部分を占め、薬局薬剤師は3人だった。
同学会では、末期医療を含めた在宅医療を推進していく上で、在宅患者等に対応する地域保険薬局・薬剤師の役割が重要だとしており、今後、薬局薬剤師の受験者を増やすための環境整備に取り組んでいくことにしている。具体的には、全国均一的な学習環境を提供するため、学会によるe-ラーニングシステムや教育研修制度を整備し、これらの受講に単位特典を与えると共に、内容の充実を図る。