◆手術患者の負担やストレスを軽減させ状態を安定させるのが麻酔科医の役割。全身麻酔では、「麻酔薬」に加え、痛みを抑える「鎮痛薬」、手術中に患者を不動状態にする「筋弛緩薬」をそれぞれ必要最小量ずつ組み合わせた「バランス麻酔」が腕の見せどころ
◆ただ、筋弛緩薬の作用持続時間は、患者によってバラツキがあるため、最適な投与量が難しい。筋弛緩薬の投与量を増やすことで、麻酔薬の量を減らせる一方、筋弛緩薬の投与量が多いと、筋弛緩からの回復が遅れ、窒息や術後肺合併症など生命に関わる重篤な副作用が発生することもある
◆筋弛緩状態を「TOF比」という指標で数値化した診断法「神経筋モニタリング」は、全身麻酔を行う上で一つの助けになるかもしれない。国内での使用率は10%以下にとどまっているが、デンマークでは約43%で使われている。筋弛緩状態を確実にモニタリングできる点で意義は大きい
◆4月に筋弛緩回復剤が上市されたことで、患者は深い筋弛緩状態からの回復が可能になった。これにモニタリングを組み合わせることで、麻酔時の患者管理がより万全になることを願う。
「神経筋モニタリング」
2010年04月25日 (日)
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