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児童施設の多くがアレルギー疾患に配慮‐東京都が実態調査

2010年04月27日 (火)

 東京都は、保育所等(児童施設)におけるアレルギー疾患児の現状を把握するため、初めて児童施設を対象とした実態調査を実施した。それによると、7割近くの児童施設が、「食物アレルギーまたはアナフィラキシー」を持つ子どもを抱えており、1割がアナフィラキシーで緊急対応した経験を持っていた。都では、1999年度から5年ごとに、3歳児全都調査も実施しているが、3歳までに何らかのアレルギー疾患に罹患している子どもは、調査開始以来、約4割で推移しているものの、昨年度の調査では食物アレルギーとアレルギー性鼻炎が増加傾向にあることも明らかになっている。

 児童施設調査は、都内に所在する認可保育所、認証保育所、幼稚園が対象(0~6歳児)で、2089施設(有効回答率65・2%)から回答を得た。

 調査結果によると、児童施設に通う子どものアレルギー疾患罹患状況は、喘息4・4%、アトピー性皮膚炎4・1%、食物アレルギー5・3%、アナフィラキシー0・4%、アレルギー性鼻炎1・5%、アレルギー性結膜炎0・6%だった。

 そうした配慮が必要なアレルギー疾患児を多くの児童施設が抱えている。中でも、「食物アレルギー・アナフィラキシー」を持つ児童がいる施設は68・1%と最も多く、次いで「アトピー性皮膚炎」66・9%、「喘息」44・1%、「アレルギー性鼻炎・結膜炎」30・5%となっている。

 緊急対応を要する疾患を持つ子どもへの配慮や対応としては、食物アレルギーの子どものいる施設では、「誤食防止のために職員が同じテーブルについている」が83・7%、「アナフィラキシー予防のために誤食の話をしている」が52・1%、「牛乳パックリサイクル体験や豆まきの際は食材に触れないよう配慮」が47・1%などの対応を取っている。過去3年間に、アナフィラキシー対応経験があるのは12・0%で、アナフィラキシー発作時のマニュアルを整備しているのは51・0%だった。

 喘息に関しては、「施設の敷地内は全面禁煙にしている」が67・5%でトップ。「運動遊び、水遊び、散歩は状況により制限」が57・7%、「毛や羽根のある動物に接触しないよう配慮」が49・4%、「ホコリが舞う環境から避けるよう配慮」が46・0%などの順だった。また、過去1年に喘息発作を起こした子どもへの対応経験がある児童施設の割合は23・4%、喘息発作時のマニュアルを整備しているのは43・7%だった。

 アトピー性皮膚炎では、「プールの後には、皮膚に付着した塩素を落とすためにシャワー浴を実施している」が75・3%、「汗をかいた後は、汗を拭き取っている」が67・4%だったが、「毛や羽根のある動物に接触しないよう配慮している」は39・1%にとどまった。

 また、服薬管理に関しては、「保護者からの依頼により、主治医の投薬指示書に基づき処方された外用薬を預かることや、塗布を行う場合がある」との回答が8割を超えており、他のアレルギー疾患を持つ子どもへの服薬管理に比べ、最も多かった。

 都では、「今後、職員がアトピー性皮膚炎の悪化原因や、スキンケア、治療薬についての知識を深め、アトピー性皮膚炎を持つ子どもの適切な生活管理や対応を行っていく必要がある」と指摘している。

3歳児調査‐アレルギー症状は約4割

 一方、3歳児全都調査は、2009年10月の都内3歳児健康診査受診者やその保護者が対象で、2912人(40・2%)から回答があった。

 それによると、3歳までに何らかのアレルギー症状があり、診断を受けている子どもの割合は38・8%だった。04年度は36・7%、99年度は36・8%で、この10年間は約4割弱で推移している。

 各アレルギー疾患の罹患状況の推移を見ると、食物アレルギーが14・4%(04年度8・5%、99年度7・1%)、アレルギー性鼻炎が11・1%(9・2%、6・1%)で、増加傾向にあった。また、アトピー性皮膚炎は15・8%(15・3%、16・6%)で常に高い罹患率で推移していた。

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