国民健康保険中央会は13日、2009年度の後期高齢者医療費速報を発表した。総額は11兆9440億円で、前年度から5・7%増加。対象者数と単価が共に伸びており、被保険者数は3・2%増の1365万人、1人当たり医療費は2・5%増の87万4915円だった。特に調剤は、1人当たり医療費が6・9%増と前年度を大幅に上回り、13万8523円になったことで、調剤全体で10・3%増の1兆8911億円に拡大した。
後期高齢者の医療費を分解すると、受診延日数は7億4921万日で1・9%増加し、1日当たり医療費が1万5942円で3・7%増加した。調剤については、処方せん枚数が1億8650万枚で3・9%増加し、1枚当たり医療費が1万0140円で6・2%増えた。また、1人当たりで見ると、受診日数は54・9日で1・2%減少し、処方せん枚数は13・7枚で0・7%増にとどまっており、1日単価や処方せん1枚当たり単価の伸びが、医療費を押し上げていることがうかがえる。
年間レセプトは3億8611万件で4・9%増加し、1件当たり医療費は3万0935円で0・8%増加した。このうち調剤レセプトは6・3%増の1億2731件で、1件当たり医療費は3・7%増の1万4854円だった。
1人当たり医療費の水準を都道府県で比較すると、福岡が110万7709円で最も高く、最低だった新潟の71万9530円と1・5倍の格差がある。
なお、稼動日数は267・5日で前年度より0・5日少なかった。