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新販売制度、法遵守徹底が重要に

2010年7月23日 (金)

 改正薬事法施行から1年を経過したタイミングで公表された新販売制度に関する定着状況調査、いわゆる“覆面調査”の結果が、薬局・薬店などの医薬品小売店に大きな波紋を投げかけた。既報の通り調査では、第1類薬の陳列状況、リスク分類別の陳列状況、従事者の名札の有無、第1類薬購入時の説明など、新販売制度への対応が不十分という結果となった。

 中でも独立店で、新制度の遵守率が低い傾向があると指摘されたことが大きい。これを受け、日本薬剤師会では、各都道府県薬剤師会を通じて新販売制度の周知と遵守の徹底を図ると共に、改めて新販売制度に対する自主点検表を会員薬局に配布し、厚労省の調査結果との乖離などを分析するため、8月末までに全国での調査を集計する方針だ。

 さらに9月には、地域薬剤師会などで、点検表を用いた相互点検を実施し、その結果を報告すること等も求めており、10月以降に相互点検結果報告の取りまとめや、総合点検結果の評価、結果の公表を行う予定だという。この取り組みは、厚労省の調査結果を真摯に受けとめ、改めて自己点検を実施することで、改正法遵守を再認識するものだ。

 また日薬は今月15日に急遽、一般用医薬品担当者全国会議を開催し、一般薬取り扱いに関する対応の徹底を図ると共に、今後の取り組みについて説明した。会議では、調査結果を踏まえ児玉孝会長が「全ての会員、薬剤師に改正薬事法の意味が十分に伝わっていなかった」と反省のコメントを述べ、改めて法の遵守を求めた。また厚労省医薬食品局総務課の山本史薬事企画官も、「新制度に目を向けていない店舗も少なからず見られる」と言及し、監視・指導に向けて迅速に対応するとの認識を示した。

 新販売制度のポイントは、いうまでもなく対面販売を原則とする点だ。このため、目の前にしている販売者が薬剤師なのか、登録販売者なのかを消費者視点で確認できることが、まずは重要なのかもしれない。

 厚労省が調査結果を公表した同じ日、一般薬のインターネット販売規制に関連して、全国薬害被害者団体連絡協議会など15団体が、現行の原則禁止継続を求める要望書を厚労相、行政刷新担当相、消費者担当相に提出。ここでは対面販売の原則を堅持して、店頭販売を含め、専門家による実効性のある情報提供と相談対応を徹底し、一般薬の適切で安全な使用を実現することを求めた。

 政府の行政刷新会議は、先の分科会で結論を保留した一般薬のネット販売規制について、今秋以降に再び検討する予定にしている。そこでは「安全性」と「利便性」を求める双方の意見を聴きながら検討するものと見られ、その結論も注目されるところだ。それだけに、今回の調査結果は、「新販売制度の根幹を揺るがしかねない、由々しき事態」とする意見もある。

 いずれにしても販売側は、新制度の趣旨・目的を改めて強く認識し、これまで以上に実質的な機能を適切に果たしていくことが必要になろう。ただ、国民の新販売制度への理解がどの程度浸透しているかは未知数だが、薬局、薬剤師に対する国民の期待を認識し、できるだけ早く新制度の趣旨の理解を促すと共に、法遵守という実践を伴った、セルフメディケーション、地域医療への参画に向けて取り組まなければならない。




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