厚生労働省は26日、2009年簡易生命表を発表した。それによると、日本に住む日本人の平均寿命は、男が79・59歳、女が86・44歳で、いずれも過去最高を更新した。悪性新生物、高血圧症を除く心疾患、脳血管疾患、肺炎などの改善が寄与した。
平均余命は、男女とも全年齢で前年の水準を上回り、0歳の平均寿命は、男が0・30年、女が0・39年伸び、男女差は6・85年に拡大した。対象期間が若干異なるものの、世界の主要国で、女は最長、男はスイスやアイスランドに次いでトップクラスに位置している。
特定年齢まで生存する者の割合は、65歳までだと男86・7%、女93・6%、75歳までだと男71・9%、女86・5%、90歳までだと男22・2%、女46・4%となっている。
出生者のうち、半数が生存すると期待される年数の寿命中位数は、男82・55年、女89・20年だった。寿命を男で2・96年、女で2・76年上回った。
将来どんな原因で死ぬかを計算した死因別死亡確率は、0歳では男女とも悪性新生物で死ぬ確率が最も高く、男29・90%、女20・63%だった。次に男は心疾患14・68%、肺炎12・20%、脳血管疾患10・08%と続き、女は心疾患19・09%、脳血管疾患12・11%、肺炎11・35%の順で高い。
65歳だと0歳に比べ、悪性新生物の死亡確率が低くなり、75歳以上だとこうした傾向はさらに強まる。悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の3大疾患で死亡する確率は、0歳や65歳の男女、75歳の男で5割を超える。
前年と比べると悪性新生物による死亡が0歳の女、65歳、75歳、90歳の男女で上昇。心疾患は0歳、65歳、75歳の男女、90歳の男で低下しており、脳血管疾患や肺炎は各年齢の男女とも低くなっている。
特定死因を除去した場合の平均寿命の延びは、男女とも悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順で長く、三大死因を取り除くと寿命は男で8・04年、女で6・99年延びる。