第一三共と北里研究所は7月30日、来年4月1日付で合弁会社「北里第一三共ワクチン」を設立すると発表した。第一三共と北里は、2008年12月に相互補完提携契約を締結していたが、合弁会社に北里のワクチン事業を承継することで、さらなる連携体制の強化を図る。また、仏サノフィパスツールは、第一三共との合弁会社について、第一三共が保有する全株式を取得し、11月1日付でサノフィ・アベンティスの完全子会社「サノフィ・パスツール」とすることで合意したと発表した。
新会社は、第一三共が51%、北里研究所が49%を出資し、北里の生物製剤研究所が行うワクチンの製造・研究開発を担う。北里のワクチン生産力に、第一三共の製剤技術を融合し、新規ワクチンの創製につなげる。
第一三共は、1997年に旧第一製薬が仏サノフィパスツールと合弁会社(現サノフィパスツール第一三共ワクチン)を設立し、08年12月にインフルエンザ菌b型感染症を予防する小児用ワクチン「アクトヒブ」を発売した。
また同月には、北里研究所と感染症予防・治療ワクチンの研究、開発、製造、販売に関する相互補完提携契約を締結。4月にスタートした第2期中期経営計画では、北里研究所との連携を強化し、インフルエンザワクチンを生産する方針を打ち出していたが、今回、合弁会社を設立し、北里のワクチン事業を承継することで、さらに連携体制を強化することになった。
今後、現在販売中の「アクトヒブ」については、サノフィパスツールが製造販売承認を保有し、第一三共が引き続き販売する。また、開発中のジフテリア・破傷風・百日咳・不活性化ポリオの4種混合ワクチンについては、仏サノフィグループ、北里研究所、第一三共が共同開発を継続する。