厚生労働省が16日に発表した、2009年度版「最近の調剤医療費(電算処理分)の動向」で、09年度に薬局で調剤した内服薬のうち、腫瘍用薬の後発品割合が、薬剤料ベースで前年度の1・4%から3・8%に拡大したことが分かった。同省保険局調査課によると、昨年5月の薬価収載から、前立腺癌治療薬「ビカルタミド」の後発品が登場したことが影響した。
主な薬効大分類別の内服薬後発品の薬剤料ベース割合は、ビタミン剤の45・0%が最も高く、呼吸器官用薬の14・4%、消化器官用薬の11・1%、血液・体液用薬の8・7%、その他の代謝性医薬品の7・1%が続く。
前年度からの伸びは、腫瘍用薬の2・4ポイントが最大で、以下、消化器官用薬の1・2ポイント、循環器官用薬の1・1ポイント、アレルギー用薬と化学療法剤の0・7ポイントなどとなっている。
腫瘍用薬を中分類で見ると、代謝拮抗剤は前年度とほぼ同水準だったが、その他の腫瘍用薬が3・4ポイント伸びた。また、より細かい分類だと、血管拡張剤の5・7ポイント増、合成抗菌剤の3・5ポイント増が大きかった。
このほか、薬効大分類別の内服薬処方せん1枚当たり薬剤料は、循環器官用薬が1497円で最も高く、次いで中枢神経系用薬の658円、その他の代謝性医薬品の537円と続く。前年度と比べた伸び率は、血液・体液用薬の12・2%が最大。
1枚当たり薬剤料を、[1]1枚当たり薬剤種類数[2]投薬日数[3]1種類1日当たり薬剤料――の3要素に分解すると、種類数は循環器官用薬0・62、消化器官用薬0・49、中枢神経系用薬0・45が多く、伸び率は化学療法剤の6・5%増が大きい。投薬日数は腫瘍用薬の33・5日、泌尿生殖器官・肛門用薬の28・0日、循環器官用薬の27・3日の27・3日が長く、伸び率はアレルギー用薬の5・2%が最大。1種類1日当たり薬剤料は、腫瘍用薬の1300円、化学療法剤の531円、抗生物質製剤の202円が高く、伸び率は中枢神経系用薬の5・5%が最も大きかった。