厚生労働省医政局の2011年度予算概算要求・要望総額は、今年度当初から2・9%減の1886億円7400万円となった。このうち、地域医療確保対策の推進に487億9200万円、革新的な医薬品・医療機器の開発促進に209億1700万円を充てる。
地域医療確保では、地域医療支援センター(仮称)の整備に17億1400万円、今年度に策定するガイドラインに基づく、チーム医療の取り組みの安全性や効果の検証に15億5600万円を、「元気な日本復活特別枠」で要望した。
従来型の要求では、医療分野の情報化推進として9億2500万円を計上し、医療機関間でのデータ共有や、個人が自分の診療情報を電子的に管理・活用する仕組みを実証する新成長戦略に沿った新規事業を実施するほか、電子カルテ導入や遠隔医療の設備整備を支援する。また、在宅医療の新規施策として、1億3800万円をかけて、医療・福祉・保健をまたぐ包括的、継続的な連携体制の構築を進める。
医薬品・医療機器の開発促進では、世界に先駆けた革新的新薬・医療機器創出のための臨床試験拠点の整備に、50億5400万円を特別枠で要望。グローバル研究拠点や治験支援拠点の体制整備に7億9900万円、研究費に145億4500万円、臨床研究コーディネーターやデータマネジャーの育成支援に900万円、後発品使用促進に1億0100万円を従来枠で求めた。
このほか、国立高度専門医療研究センターと国立病院機構における政策医療に798億3300万円を充てた。このうち国立高度専門医療センター向け70億2700万円を特別枠に盛り込み、豊富な症例数や専門性を生かししたバイオリソースの蓄積、医薬品等の開発、知的財産管理の体制整備を行う。
また、外国人患者を受け入れる、医療機関の認証制度の整備に向けた取り組みに3800万円、統合医療の評価手法や情報発信のあり方の検討に1100万円を新たに計上した。