
古賀社長(右)と新CMキャラクターの松下由樹
ツムラライフサイエンスは1日付で、社名を「バスクリン」に変更し、新たなスタートを切った。同日、都内で開いた新社名発表会で、古賀和則社長兼CEOは「主力の入浴剤バスクリンが発売80周年を迎えた節目に、新たな歴史の一歩を踏み出すこととなった。長年にわたり“健やかで心地よい生活を提供する”という社会的使命を体現してきた『バスクリン』を新たな社名とし、今後は『健康は、進化する。』をコーポレートスローガンとして、さらに事業を進化させていきたい」と抱負を述べた。また、社名変更に合わせて研究所と工場を新設すること、昨年から参入した通信販売事業の本格展開に着手することなど、当面の事業目標を株式上場に置き、積極的な事業展開を図っていく考えを明らかにした。
同社は2006年に、医療用漢方製剤のトップメーカーであるツムラから家庭用品事業を分社・承継し、ツムラライフサイエンスを設立。08年には、独立系ファンドのワイズパートナーズのバックアップを得て、経営者と社員が資本参加するMEBOを実行し、ツムラグループから独立した。
古賀社長は「今回、社名からツムラの文字が外されるが、ツムラの3文字に対しては全社員が愛着を持っている。社名が変わっても、1893年に創業した津村順天堂の伝統を承継した経営の原点は、変わることはない。特に当社の伝統であり、強みでもある東洋医学的な知見、こだわりの物づくりへの真摯な取り組みは、今後ともさらに強化していく」とした。
新たなスタートなった今年は、事業の核といえる研究所と工場を刷新する。新研究所は10月に、筑波研究学園都市に完成・移転させる。新工場は6階建てで、現在の工場と同じ静岡県藤枝市で建設を進めており、12月の竣工、明年4月からの稼働を予定している。敷地面積は約1万9000m2で、現工場の2・3倍となる。生産するのは「バスクリン」「きき湯」「日本の名湯」などの主力入浴剤で、生産能力は大幅に向上される。
入浴剤もリニューアル‐10月から新CMも放映
主力の「バスクリン」は、厳選された温泉ミネラル成分が温浴効果を高め、疲労・冷え症などを緩和しながら健康をサポートする薬用入浴剤として、今年で80周年を迎えるロングセラーブランドとなっている。今回「バスクリン」も、新たな保湿成分を配合し、パッケージデザインも刷新するなど、7日からリニューアル発売する。
天然アロマ香料を増量することで、香りの持続性を高めたほか、肌の乾燥に考慮してホホバオイルを従来品の5倍配合し、湯上がり後の保湿性を高めた。パッケージには、素材の美しさ・色合いの優しさを全面に打ち出した。今回、ヨーロピアンローズの香り、タンカンの香りが追加され、香りのタイプは計9種類となった(全品医薬部外品、オープン価格)
同社では、女優の松下由樹を新たに起用し、薬用入浴剤「バスクリン」と、株式会社「バスクリン」のTVCMを新たに制作した。放映は10月2日から。CMでは“家族の健康は、毎日の温浴から”という商品コンセプト、“理想のからだ、とり戻そう”という企業メッセージを、松下由樹が優しいお母さんを演じ、植村花菜が歌うCMソングで伝えていく。