中央社会保険医療協議会は8日、新薬の処方日数を薬価収載から1年間は、原則14日までに制限するルールを、配合剤には一律適用せず、個別案件ごとに上限を判断することを決めた。処方制限のあり方は、次期改定に向けた課題として、診療報酬基本問題小委員会で議論することとなっていたが、「新配合剤を全くの新薬と同様に扱うのは不自然」との認識を、診療・支払の両側が示し、配合剤に限って柔軟運用を先行導入することを合意した。
この日の会合では、17日に予定する新薬の薬価収載を審議した。この中で、月経困難症治療薬「ヤーズ配合錠」と、骨粗鬆症治療薬「フォルテオ」については、臨床試験成績で長期投薬の安全性が確認されたことや、関係学会の意見、使用実態を踏まえ、特例的に30日まで制限を延長することとなった。
一方、血圧降下成分のテルミサルタンと、カルシウム拮抗成分のアムロジピンベシル塩酸塩を含有する高血圧症治療薬「ミカムロ配合錠」は、原則通り14日だった。
これに対し安達秀樹委員(京都府医師会)は、ミカムロを例に挙げ、臨床試験デザインが長期投与でなくても、臨床で使用実績があることを指摘。また、単剤ずつだと28日分程度だった処方が14日分になって、通院が加わるとトータルの医療費が増加するとし、「今まで(単剤として)使っていたものは、安全性が確保されている。配合剤の14日縛りはやめた方がよい」と提案。
厚生労働省事務局は吉田易範薬剤管理官は、「配合剤そのものが、臨床で使われた時の相互作用や、安全性を確かめる必要があるということで、薬事承認上も再審査期間がついている」と、原則通りの制限に理解を求めた。
しかし、白川修二委員(健康保険組合連合会)が、「案件ごとにデータを見て、安全性が100%確保できるということなら、30日制限にするとか、制限を外すということでどうか」と述べるなど、支払側も運用の見直しに賛同し、遠藤久夫会長(学習院大学)は「配合剤は一律に14日制限をかけず、個別対応とする」とまとめた。