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【塩野義製薬】舌下型の減感作療法薬を導入‐家ダニ由来のアレルギー性鼻炎で開発

2010年09月09日 (木)

 塩野義製薬は、フランスのスタラジン社が開発した、家ダニを抗原とするアレルギー性鼻炎に対する抗原特異的舌下免疫療法薬を導入するライセンス契約を、同社と結んだ。スギ花粉によるアレルギー性鼻炎についても、共同研究を進める。国内で、それぞれの第I相臨床試験を来年1~6月に開始する計画だ。

 家ダニの抗原特異的舌下免疫療法薬は、欧州での臨床開発が終了。製品名「アクテア」としてドイツでの承認申請準備段階にある。塩野義製薬は、日本と台湾における独占的な開発、販売権を取得した。

 スギ花粉の抗原特異的舌下免疫療法薬は、日本スギを抗原として両社が共同研究を行い、日本での開発、商業化を進める。

 特異的免疫療法(減感作療法)は、アレルギーの原因となる抗原を少しずつ増量しながら長期にわたって投与することで、抗原に対する生体の応答性を弱めていく方法。アレルギー症状を一時的に緩和する対症療法とは違って、根治的治療法と捉えられている。ただこれまでは、年余にわたって皮下注射を継続しなければならい上、アナフィラキシーショックを引き起こすリスクもあった。

 「アクテア」は、家ダニ抗原を抽出し錠剤化したもので、口腔内で速やかに溶解する。全身性の副作用リスクも軽減されており、長期にわたって特異的免疫療法を継続できる。

 スタラジン社によると、これまでの臨床研究から、アクテアは投与開始4カ月目からアレルギー性鼻炎の症状を改善する効果を発揮し、投与終了1年経過後も効果を示す成績が得られているという。

 塩野義製薬はスタラジン社に対し、契約一時金として2400万ユーロ(約26億円)、開発の進展や承認取得に伴うマイルストーンとして総額4600万ユーロ(約50億円)、さらに販売額に応じたロイヤリティーを支払う。

 国内の市場規模は、家ダニを抗原とするアレルギー性鼻炎への対症療法は約500億円、スギ花粉については約1000億円。注射による特異的免疫療法はあまり普及しておらず、舌下錠による特異的免疫療法がどれだけ新たな市場を構築できるかが、上市後の焦点になる。

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