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【長妻厚労相】感染症法の報告対象となる耐性菌見直しへ

2010年09月09日 (木)

 長妻昭厚生労働相は7日の閣議後会見で、多剤耐性菌の院内感染問題を受け、感染症法に基づく報告の対象とする耐性菌を見直す方針を明らかにし、「全国の多剤耐性菌の把握強化に努めていきたい」と述べた。今後、厚生科学審議会感染症部会で、対象とする耐性菌や把握する医療機関の範囲を議論することになる。

 現行の規定では、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌など5種類が報告対象となっているが、帝京大学病院で集団感染が発生した、多剤耐性アシネトバクターには報告義務がない。そのため、国の把握が遅れたこともあり、長妻氏は「どういう耐性菌に報告義務を課すか、見直しを考えていかなければならない」とし、早急に感染症部会を招集するとした。

 また、海外で感染が広がっているニューデリー・メタロ‐β‐ラクタマーゼ1(NDM1)を産生する耐性菌が、国内で初めて獨協医科大学病院で検出されたことにも言及。「全国の実態把握に取り組みたい」と述べた。

 NDM1は、広域β‐ラクタム薬を分解する酵素で、大腸菌や肺炎桿菌などで確認されている。獨協医大病院で発生した事例は、厚労省の注意喚起を受けて昨年4月に採取した検体を調べ、感染していたことが分かった。患者は既に回復して退院している。

 このほか会見では、院内感染対策全般について改めて検討するために、「院内感染対策中央会議」を開催する考えも示した。

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