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【厚労省】新薬12成分を薬価収載‐新有効成分として9つが登場

2010年09月09日 (木)

 厚生労働省は17日付で、新薬12成分15品目を薬価収載する。このうち内用薬が6成分8品目、注射薬が6成分7品目で外用薬はなかった。新作用機序を持つ「オレンシア」「フォルテオ」など、九つの新有効成分が登場するほか、レザルタスらと同タイプの、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬の配合剤がさらに加わる。8日の中央社会保険医療協議会で了承された。

原価計算は5成分に適用

 イーケプラ錠250mg同500mg(ユーシービージャパン)=新有効成分のレベチラセタムを含有する。効能・効果は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の、部分発作に対する抗てんかん薬との併用療法。類似薬効比較方式Iを適用し、薬物相互作用が少なく併用療法に用いやすいなど治療方法の改善を評価し、有用性加算IIとして10%を上乗せした。

 市場規模は、初年度が3000万人で7000万円、ピーク時の9年目が4万6000人で62億3000万円。

 トラマールカプセル25mg同50mg(日本新薬)=有効成分はトラマドール塩酸塩。効能・効果は、軽度から中等度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛で、注射剤は収載済み。原価計算方式で算定し、営業利益率の上乗せはなかった。

 市場規模は、初年度が3万4000人で3億1000万円、ピーク時の6年目が14万人で12億円。

 ミカムロ配合錠AP(日本ベーリンガーインゲルハイム)=有効成分として、ARBのテルミサルタンとカルシウム拮抗薬のアムロジピンベシル酸塩を含有する。効能・効果は高血圧症。内用配合剤の特例ルールを適用し、テルミサルタンを成分とする自社のミカルディス錠の8割価格に、アムロジピンの後発品で薬価が最も低い、辰巳化学のアムロジピン錠の価格を加えた額を薬価とした。

 市場規模は、初年度が7万7000人で13億円、ピーク時の8年目が100万人で400億円。

 ヴォリブリス錠2・5mg(グラクソ・スミスクライン)=有効成分はアンブリセンタン。効能・効果は、肺動脈性肺高血圧症。類似薬効比較方式Iを適用し、既存薬で禁忌となっている、中等度の肝障害にも慎重投与で使用できることを評価し、有用性加算IIで5%上乗せした。さらに、当初案に対する企業の不服意見を受け入れ、市場性加算Iで10%を加えた。

 市場規模は、初年度が170人で3億円、ピーク時の10年目が870人で44億円。

 ヤーズ配合錠(バイエル薬品)mg有効成分は黄体ホルモンのドロスピレノンと、卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールベータデクス。効能・効果は月経困難症。類似薬効比較方式Iを適用した。関係学会の意見や臨床試験を踏まえ、処方制限を特例的に30日に設定する。

 市場規模は、初年度が2000人で1億6000万円、ピーク時の10年目が6万人で56億円。

 ビビアント錠20mg(ファイザー)=有効成分はバゼドキシフェン酢酸塩。効能・効果は閉経後骨粗鬆症。類似薬効比較方式Iを適用した。市場規模は、初年度が4万5000人で15億円、ピーク時の7年目が56万人で190億円。

市場規模小さい抗癌剤も

 フォルテオ皮下注キット600μg(日本イーライリリー)=有効成分はテリパラチド(遺伝子組み換え)。効能・効果は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症。原価計算方式を適用し、営業利益率の上乗せはない。臨床試験成績や通院による骨折リスクなどを踏まえ、処方制限を特例的に30日に設定する。

 市場規模は、初年度が3500人で12億円、ピーク時の4年目が2万2000人で147億円。

 サイビスクディスポ関節注2mL(ジェンザイム・ジャパン)=有効成分はヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマーおよびヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体。効能・効果は保存的非薬物治療、経口薬物治療で十分奏効しない疼痛を有する変形性膝関節症患者の疼痛緩和。原価計算方式を適用し、営業利益率の上乗せはない。

 市場規模は、初年度が8000人で3億円、ピーク時の10年目が17万人で71億円。

 オレンシア点滴静注用250mg(ブリストル・マイヤーズ)=有効成分はアバタセプト(遺伝子組み換え)。効能・効果は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ。類似薬効比較方式Iを適用した。抗原提示細胞に結合することで、共刺激シグナルを阻害しT細胞の活性化、サイトカイン産生を抑制する新たな作用機序を評価し、有用性加算IIを認めた。加算率は当初5%としていたが、企業の不服意見を踏まえて10%となった。

 市場規模は、初年度が1000人で4億円、ピーク時の8年目が1万9000人で183億円。

 アブラキサン点滴静注用100mg(大鵬薬品工業)=有効成分はパクリタキセル。効能・効果は乳癌。原価計算方式を適用し、当初案に対する企業の不服意見を一部認め、平均値より10%高い営業利益率で算定した。

 市場規模は、初年度が3000人で8億円、ピーク時の9年目が3万3000人で94億円。

 トーリセル点滴静注液25mg(ファイザー)=有効成分はテムシロリムス。効能・効果は、根治切除不能または転移性の腎細胞癌。原価計算方式を適用し、当初案に対する企業の不服意見を一部認め、重篤な副作用である間質性肺炎に特化したアドバイザリー会議を、原価の構成要素に加えたが、営業利益率は平均値を採用した。市場規模は初年度が200人で2億8000万円、ピーク時の6年目が1400人で30億円。

 パシル点滴静注液1000mg(富山化学)、パズクロス点滴静注液1000mg(田辺三菱)=有効成分はパズフロキサシンメシル酸塩。新用法・用量として、1回1000mgが設定されたことに合わせ、新たな規格の製剤を追加した。薬価は規格間調製で算定した。

 市場規模は初年度が5000人で2億5000万円、ピーク時の4年目が1万6000人で7億1000万円。

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