
明治HD・佐藤社長
明治ホールディングスは14日、子会社の明治乳業と明治製菓を分割し、来年4月1日付で、食品事業会社の「明治」と、薬品事業会社の「Meiji Seikaファルマ」に再編すると発表した。新たに策定した長期経営方針「明治グループ2020ビジョン」の実現に向け、食品と薬品の事業戦略を明確化し、統合シナジーの創出を加速させる。薬品事業は、20年度に売上高2000億円以上を目指す方針を打ち出した。都内で記者会見した佐藤尚志社長は「経営資源を投入し、小粒だが光る事業会社にしていきたい」と語った。
20年度に売上高2000億円以上
事業再編を受け、明治製菓は明治乳業グループの大蔵製薬を吸収し、来年4月1日に薬品事業の新会社「Meiji Seikaファルマ」としてスタートする。明治製菓の薬品事業を継承し、感染症治療薬・中枢神経系疾患治療薬・ジェネリック医薬品(GE薬)を柱に事業拡大を進める。
医療用医薬品事業は、研究開発に積極的な投資を進め、得意の微生物発酵技術を応用した自社新薬の創出を追求すると共に、グローバル展開を視野に国際開発力を強化する。好調なGE薬事業は、新たに抗癌剤、バイオ後続品に参入し、製品ラインナップの拡充を目指す。
また、アジア、新興国の成長市場をターゲットに、海外事業を積極的に拡大する。中国、タイ、インドネシア、スペイン、ポルトガルに展開する海外子会社のプレゼンスを強化し、成長市場のアジア、新興国では、抗菌薬を中心とした低価格薬剤市場に参入する方針を打ち出した。
既に、ロシア、ベトナムでは製品投入をスタートさせている模様で、今後は本格的に低価格薬剤のビジネス拡大を狙う。さらに、国内外でM&Aを含めたアライアンスも視野に入れ、薬品事業の09年度売上高1100億円を、20年度には売上高2000億円以上に引き上げる計画だ。
佐藤氏は「薬品事業の『Meiji Seikaファルマ』は、グループの中核事業として経営資源を投入し、国際展開を充実させることで、小粒だがキラリと光る会社にしていきたい」と語った。