薬事・食品衛生審議会薬事分科会は、新規作用機序の慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬「レボレード」を審議・了承したほか、部会で報告扱いとなっていた統合失調症治療薬「インヴェガ」、2型糖尿病治療薬「バイエッタ」など、21品目の承認を了承した。いずれも、1カ月後をメドに正式承認される見通し。
▽アクレフ口腔粘膜吸収剤200μg、同400μg、同600μg、同800μg(田辺三菱製薬が製造販売):有効成分はフェンタニルクエン酸塩。強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における、突出痛の鎮痛を効能・効果とする。
▽ボトックス注用50単位、同100単位(グラクソ・スミスクラインが製造販売):有効成分はA型ボツリヌス毒素。上肢痙縮、下肢痙縮の効能・効果を追加した。
▽ジプレキサ錠2・5mg、同錠5mg、同錠10mg、同細粒1%、ジプレキサザイディス錠5mg、同錠10mg(日本イーライリリーが製造販売):有効成分はオランザピン。双極性障害における躁症状の改善を効能・効果に追加した。
▽ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0・8mL(アボットジャパンが製造販売):有効成分はアダリムマブ(遺伝子組み換え)。[1]既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎[2]中等症または重症の活動期にあるクローン病の寛解導入および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」--の効能・効果を追加した。
▽ネバナック懸濁性点眼液0・1%(日本アルコンが製造販売):有効成分はネパフェナク。内眼部手術における術後炎症を効能・効果とする。
▽ザイザル錠5mg(グラクソ・スミスクラインが製造販売):有効成分はレボセチリジン塩酸塩。アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症を効能・効果とする。既存薬である「ジルテック」の光学異性体で、半分の量で効果を発揮する。
▽サムスカ錠15mg(大塚製薬が製造販売):有効成分はトルバプタン。ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留を効能・効果とする。
▽沈降インフルエンザワクチンH5N1「化血研」(化学及血清療法研究所が製造販売):有効成分は不活化インフルエンザウイルス。新型インフルエンザ(H5N1)の予防を効能・効果とする。
▽イナビル吸入粉末剤20mg(第一三共が製造販売):有効成分はラニナミビルオクタン酸エステル水和物。成人、小児のA型、B型インフルエンザを効能・効果とする。長時間作用型のノイラミニダーゼ阻害剤で、単回投与で済むため、利便性やコンプライアンスの向上が期待できる。4日付で薬価基準に緊急収載された。
▽献血ヴェノグロブリンIH5%静注2・5g/50mL(ベネシスが製造販売):有効成分はポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン。多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)を効能・効果に追加した。オーファンのため、承認条件として全例調査が付された。
▽ワンデュロパッチ0・84mg、同1・7mg、同3・4mg、同5mg、同6・7mg(ヤンセンファーマが製造販売):有効成分はフェンタニル。非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で、治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)を効能・効果とする。既存薬は3日おきに貼付するが、1日おきに貼り替える。
▽マキュエイド硝子体内注用40mg(わかもと製薬が製造販売):有効成分はトリアムシノロンアセトニド。硝子体内手術時の硝子体可視化を効能・効果とする。
▽ミンクリア内用散布液0・8%(日本製薬が製造販売):有効成分はl‐メントール。上部消化管内視鏡検査における胃蠕動運動の抑制を効能・効果とする。
▽リリカカプセル25mg、同75mg、同150mg(ファイザーが製造販売):有効成分はプレガバリン。末梢性神経障害性疼痛を効能・効果に追加した。
▽レボレード錠12・5mg、同25mg(グラクソ・スミスクラインが製造販売):有効成分はエルトロンボパグオラミン。慢性特発性血小板減少性紫斑病を効能・効果とする。オーファンのため、全例調査の承認条件が付いた。
▽インヴェガ錠3mg、同6mg、同9mg(ヤンセンファーマが製造販売):有効成分はパリペリドン。統合失調症を効能・効果とする。リスペリドンの活性代謝物で、セロトニン5‐HT2A受容体拮抗作用、ドパミンD2受容体拮抗作用を有する。
▽バイエッタ皮下注5μgペン300、同10μgペン300、同10μgペン600(日本イーライリリーが製造販売):有効成分はエキセナチド。2型糖尿病[ただし、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤(ビグアナイド系薬剤またはチアゾリジン系薬剤との併用含む)を使用している患者で、十分な効果が得られない場合に限る]を効能・効果とする。国内2番目のGLP‐1受容体作動薬で、類薬のノボノルディスクファーマのビクトーザが1日1回投与なのに対し、同剤は1日2回投与。
▽ラディオガルダーゼカプセル500mg(日本メジフィジックスが製造販売):有効成分はヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物。放射性セシウムによる体内汚染の軽減を効能・効果とする。原発事故発生などの緊急時に使用する。
▽クラビット点滴静注バッグ500mg/100mL、同500mg/20mL(第一三共が製造販売):有効成分はレボフロキサシン水和物。肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、腸チフス、パラチフス、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、Q熱を効能・効果とする。
▽ラピアクタ点滴用バッグ300mg、同バイアル150mg(塩野義製薬が製造販売):有効成分はペラミビル水和物。ノイラミニダーゼ阻害薬で、A型、B型インフルエンザウイルス感染症小児用量を効能・効果に追加した。
▽トレアキシン点滴静注用100mg(シンバイオ製薬が製造販売):有効成分はベンダムスチン塩酸塩。再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫を効能・効果とする。オーファンに指定されており、全症例調査を承認条件として求める。