
第43回日本薬剤師会学術大会
第43回日本薬剤師会学術大会が「求められ・応えられる薬剤師へ-みすずかる信濃の国から思いをこめて」をテーマに、10、11の両日、長野市で開かれた。全国から約7500人が参加。医療人の一員として社会から信頼され、頼られる薬剤師を目指し、在宅医療、長期実務実習、ジェネリック医薬品(GE薬)など、薬剤師を取り巻く様々な課題について、討議が繰り広げられた。
10日の開会式であいさつした児玉孝日本薬剤師会会長は、「今年は薬剤師にとって戦後、薬事法から独立し、薬剤師法が公布されてちょうど50年に当たる年」と述べ、「私たちは、薬剤師法によって、調剤、全ての医薬品の供給、薬事衛生の三つの任務を、国民から負託されている」と改めて強調。チーム医療における役割、改正薬事法における一般薬の供給、GE薬の推進など、「社会から求められている事柄がある。それにきちっと応えていかなければならない」と呼びかけた。
運営委員長の大塚宰氏(長野県薬剤師会会長)は、無事に大会開催に至ったことへの感謝を述べた上で、「四つの大河が流れ、十州に境連なる、みすずかる信州から、全国へ、世界へ、求められ応えられる薬剤師となるために、一筋の光を発信したい」と話した。
来賓祝辞では、細川律夫厚生労働大臣(代読:平山佳伸厚生労働省大臣官房審議官)が、「昨年度はチーム医療の推進に関する検討が行われ、今後は、他の医療スタッフと協力して、積極的な処方提案や患者の薬学的管理など、現場における薬剤師のさらなる専門性の発揮が期待される」と表明。一般薬の販売においても、「購入時の説明や相談における薬剤師の関与があってこそ、自分に合った薬を国民が安心して購入し使っていただくことが可能になる」と語った。
また、高木義明文部科学省大臣(代読:渡部廉弘氏・文部科学省高等教育局医学教育課)は、「長期実務実習が始まった。受入施設の確保、指導体制の整備などに多大なご尽力をいただいた。おかげで、2000を超える薬局、1000を超える病院で、9000人に上る薬学生が、薬剤師の指導を受けている」と感謝の意を表した。
さらに、阿部守一長野県知事、鷲澤正一長野市長、大西雄太郎長野県医師会会長が祝辞を述べた。来賓として松本純衆議院議員、藤井基之参議院議員も姿を見せた。
式典の最後には、来年の日薬学術大会を担当する宮城県薬剤師会の会長、生出泉太郎氏に、長野県薬会長の大塚氏から薬剤師綱領の盾が引き継がれた。