国立成育医療研究センターは、胚性幹細胞(ES細胞)3株の樹立に成功したと発表した。
樹立した細胞株は▽SEES1▽SEES2▽SEES3--の3種類。これらの細胞株は、ヒトES細胞特異的遺伝子および細胞表面マーカーの発現が陽性であることに加え、免疫不全マウスを用いた実験でも、多種類の細胞に分化し得る「分化多能性」を持っていることを確認した。
センターでは今後、3細胞株を他の研究機関でも使えるよう分配体制を整え、使用計画の届け出が文部科学省に受理された機関に対して、分配を開始する。
国内でのES細胞の作製は、京都大学に続いて2施設目。センターは、ヒトES細胞研究を応用し、ムコ多糖症、I型糖尿病、ライソゾーム病や白血病など、小児難治性疾患に対する画期的な治療方法としての細胞移植治療を目指すとしている。