国際経営コンサルティング会社のブーズ・アンド・カンパニーは、研究開発に最も多額の費用を投入した世界トップ1000社の調査結果を公表した。それによると、昨年は上位10社中6社を製薬企業等のヘルスケア業界が占め、スイスのロシュが2008年の3位からトップに躍り出た。また国内勢では、武田薬品が38位、第一三共が55位、アステラス製薬が56位、エーザイが61位と大手4社が100位以内にランクインした。
調査は、世界1000社の研究開発が企業業績に及ぼす影響について、毎年実施しているもの。その結果、昨年の研究開発支出額は、08年比180億ドル減(3・5%減)の5035億ドルと初めて落ち込み、地域別では日本が10・8%と最大の減少率となった。
これに対し、調査を実施した九つの産業別で、製薬企業等のヘルスケア業界の研究開発支出額は16億ドル増の1128億ドルと伸長し、全産業で最も拡大。研究開発支出額全体の約2割を占め、産業別では2位に入った。特に上位10社中6社を製薬企業等のヘルスケア企業が占め、トップのロシュ(91億2000万ドル)を筆頭に、5位に米ファイザー(77億3900万ドル)、6位にスイス・ノバルティス(74億6900万ドル)、7位に米ジョンソン・エンド・ジョンソン(69億8600万ドル)、8位に仏サノフィ・アベンティス(63億9100万ドル)、9位に英グラクソ・スミスクライン(61億8700万ドル)が入った。
さらに、ヘルスケア業界について見ると、10位以内に入った上位6社に続き、米メルクが14位(56億1300万ドル)、英アストラゼネカが22位(44億0900万ドル)、米イーライリリーが24位(43億2700万ドル)、31位に米ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(36億4700万ドル)がランクインし、これら上位10社でヘルスケア業界の研究開発支出の55%を占めるなど、製薬企業の研究開発投資が拡大している現状が浮かび上がった。