東和薬品の吉田逸郎社長は8日、門真市の本社で開いた決算説明会で、10月から国立病院機構本部との直接取引を開始していることを明らかにした。直販ジェネリックメーカーでは前例がないとされ、吉田氏は、国病機構が懸念を抱いていた安定供給体制について、「代理店の営業所化を進め、大手医薬品卸を通さず、全国の国立病院機構143病院に対して、24時間365日体制で受注、納品を行えるエマージェンシー体制を構築した」と背景を語った。そのため、今年度末には全国の営業所を30カ所体制とし、最終的には40~50カ所に拡大する方針を示した。
吉田氏は、今回の影響について、「これまで随時契約で個別には納品できたが、本部取引メーカーとして一覧表に加わることができ、全国6ブロックの入札にも参加できるようになった。(大手医薬品卸)4社に対しても刺激にもなる」と強調。今後、国病機構向け売上構成比の15%増を目指す考えを明らかにした。
現在、工場ごとの配送センターから直接、納品するシステムを取っているが、来年8月に新山形工場が完成した後に、代理店、営業所向けの物流センターを東西に整備したい意向も示した。また、10月に株式を取得し、100%子会社化した大地化成(姫路市)については、「原薬研究に関するノウハウの取得や、製剤開発用原薬に関する研究開発の早期着手が可能となることに加え、購入原薬のコストダウンの実現を図る」とした。